豊後中村駅

豊後中村駅

大分県玖珠郡九重町大字右田にある、九州旅客鉄道（JR九州）久大本線の駅です。九重町の中心駅として機能しており、九重連山や筋湯温泉といった観光地へのアクセス拠点として重要な役割を担っています。特に、近年人気を集める九重夢大吊橋への最寄り駅としても知られています。特急列車「ゆふ」も停車するため、利便性も高い駅です。

歴史

豊後中村駅は、1928年（昭和3年）10月28日、大湯線野矢駅からの延伸開業によって誕生しました。その後、1929年（昭和4年）12月15日には豊後森駅まで路線が開通、地域の交通網の重要な一翼を担うようになりました。

歴史を振り返ると、1979年（昭和54年）12月10日には貨物取扱いが廃止され、1984年（昭和59年）2月1日には荷物扱いも廃止されました。1987年（昭和62年）4月1日の国鉄分割民営化後は、九州旅客鉄道（JR九州）が駅を管理運営することになります。

2007年（平成19年）には、駅敷地がJR九州から九重町に譲渡され、駅舎は無償で町に引き継がれました。その後、老朽化していた駅舎の建て替え工事が行われ、2010年（平成22年）1月26日に着工、同年6月30日には、豊後中村活性化交流センターと一体となった新しい駅舎が完成しました。新駅舎は、茅葺き屋根の木造平屋建てで、全国でも珍しいデザインとなっています。駅舎の延床面積は132平方メートルで、水洗トイレ、事務室、多目的ホール、厨房などが備えられています。

新駅舎完成と同時に、2010年4月1日からは九重町への業務委託による簡易委託駅となり、無人駅となりましたが、きっぷうりばが設置されています。2012年（平成24年）には、九州北部豪雨の影響で、通常は通過する特急「ゆふいんの森」が臨時停車しました。

駅構造

豊後中村駅は、相対式ホーム2面2線の地上駅です。かつては2面3線の構造でしたが、駅舎から最も離れた1線が撤去され、現在の2面2線となりました。

2010年に建て替えられた駅舎は、茅葺き屋根の美しい木造平屋建てで、全国的にも珍しい駅舎として注目されています。総工費3,876万円をかけたこの駅舎は、地元住民の交流拠点としても機能しており、当初から水洗トイレ、事務室、多目的ホールのほか、厨房も設けられていました。駅舎内には、かつて地元の食材を使った郷土料理を提供する食堂も営業していましたが、2013年3月に閉店。その後、同年9月には、九重町観光協会の事務所が移転してきました。

利用状況

1965年（昭和40年）度の豊後中村駅の乗車人員は371,153人、降車人員は378,904人に上り、手荷物や小荷物の取扱いも行われていました。しかし、近年は利用客の減少傾向にあり、2015年（平成27年）度の乗車人員は28,340人、降車人員は30,872人となっています。

駅周辺

駅周辺には、九重町立野上小学校、九重町立緑陽中学校、野上郵便局、野上幼稚園などの施設があり、国道210号や大分自動車道九重インターチェンジにもアクセスしやすい立地です。また、九重町コミュニティバスも利用可能です。

隣の駅

特急「ゆふ」が停車します。

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