金乗院 (野田市)

金乗院（こんじょういん）は、千葉県野田市にある真言宗豊山派の寺院です。1398年（応永5年）に宥秀によって開山されました。開山当初は古義真言宗の醍醐派に属していましたが、明治時代初期に新義真言宗の豊山派に改宗しました。

金乗院の境内は、隣接する清水公園と一体化しているのが特徴です。かつては金乗院の境内であった場所が、現在は公園として整備されており、寺院と公園の間に塀や柵などの区切りはありません。そのため、訪れる人々は、自然豊かな公園の景色を楽しみながら、気軽に寺院を訪れることができます。

金乗院の本尊は薬師如来像で、秘仏として大切に守られています。通常は公開されていませんが、その存在は多くの人々の信仰を集めています。また、境内には野田市内に唯一現存する算額（野田市指定文化財）が奉納されており、歴史的な価値も高いです。算額は、江戸時代に数学が盛んだった頃に、数学の問題や解法を記して神社や仏閣に奉納されたものです。金乗院の算額は、当時の数学の水準を示す貴重な資料となっています。さらに、徳川家の御朱印状（非公開）も所蔵されており、金乗院が歴史的に重要な寺院であったことを示しています。

金乗院への交通アクセスは、東武野田線清水公園駅から徒歩約10分です。清水公園駅から比較的近い場所に位置しており、電車でのアクセスも便利です。

金乗院は、歴史と自然が調和した魅力的な寺院です。訪れる人々は、静かな境内で心穏やかな時間を過ごすことができます。また、貴重な文化財を通して、歴史や文化に触れることもできます。清水公園と合わせて訪れることで、より一層深く楽しむことができるでしょう。

参考資料
流山市立博物館友の会 編『楽しい東葛寺社事典（東葛流山研究第34号）』崙書房、2016年

関連リンク
金乗院 - まるごとe! ちば（千葉県公式観光物産協会）

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