金井正夫

金井正夫の生涯

金井正夫は、1892年に鹿児島県大島郡で生まれ、1979年に生涯を閉じました。彼は、政治家、裁判官、弁護士として、日本の近代史において多岐にわたる分野で活躍しました。旧名は当央といいましたが、1915年に正夫と改名しました。

若年期と教育

金井は、大勝尋常小学校から名瀬尋常小学校へ転校し、卒業後、鹿児島県立大島農学校に進学しました。その後、旧制順天中学校、旧制第五高等学校を経て、関西大学を卒業しました。さらに、京都帝国大学法学部法律学科で学び、1919年に卒業しました。

法曹界での活躍

大学卒業後、金井は司法官試補となり、予備判事、大阪地方裁判所兼大阪区裁判所判事を歴任しました。また、関西大島郡人会を創立し、会長を務めるなど、地域社会への貢献も積極的に行いました。1923年からは関西大学で12年間講師を務め、後進の育成にも尽力しました。

政治家としての活動

1928年に判事を退官し、弁護士として新たな道を歩み始めました。1932年には、立憲政友会から衆議院議員選挙に出馬し、初当選。その後、4回連続で当選を果たしました。また、鉄道参与官、国際観光委員、司法省委員、大政翼賛会調査委員など、多くの要職を歴任しました。1946年には和歌山県知事に就任しましたが、大政翼賛会推薦候補であったため公職追放となり、短期間で辞任しました。

戦後の活動

公職追放解除後、奄美諸島復帰運動に関わり、1954年と1955年の衆議院議員補欠選挙に立候補しましたが、いずれも落選しました。その後は、弁護士として活動を続けました。

著書

金井は、『実例和議手続詳解』、『実例破産手続詳解』などの法律関連の著書を執筆しました。また、『衆議院議員・府県会議員・市町村会議員選挙関係法令並様式：新旧対照』を編著し、選挙制度に関する知識の普及に努めました。さらに、『奄美大島復帰運動回顧録』を編纂し、自らが関わった奄美諸島復帰運動の記録を残しました。

まとめ

金井正夫は、法曹界と政界の両方で活躍し、日本の近代史に大きな足跡を残しました。彼の多岐にわたる活動は、現代の私たちにとっても多くの示唆を与えてくれます。特に、奄美諸島復帰運動における貢献は特筆すべきものであり、その功績は後世に語り継がれるでしょう。

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