金剛寺 (日野市)

金剛寺（高幡不動尊）について

金剛寺は、東京都日野市高幡に位置する真言宗智山派の寺院で、高幡不動尊の名で広く親しまれています。正式には高幡山明王院金剛寺と号し、本尊として大日如来を祀っています。

歴史

金剛寺の創建には諸説ありますが、寺伝によれば、平安時代初期に円仁（慈覚大師）が清和天皇の勅願を受け、東関鎮護の霊場として高幡山上に開いたのが始まりとされています。江戸時代には真言宗関東十一檀林の談義所として、多くの学僧を輩出しました。

「高幡のお不動さん」として、古くから人々の信仰を集めており、毎月28日の縁日には多くの参拝者で賑わいます。成田山新勝寺などと共に、関東三大不動の一つとして数えられています。関東三大不動の他の二つについては、總願寺（不動ヶ岡不動）、大山寺（大山不動）、または常楽院（高山不動）という説があります。

土方歳三との関わり

新選組副長として活躍した土方歳三の菩提寺としても知られており、境内には土方歳三の銅像や、近藤勇と土方歳三の殉節両雄の碑が建立されています。また、歳三の墓がある愛宕山石田寺は、金剛寺の末寺の一つです。毎年5月には「ひの新選組まつり」が開催され、多くの人々で賑わいます。

アジサイの名所

金剛寺は、都内有数のアジサイの名所としても知られています。6月上旬には、境内の奥山に山アジサイが咲き乱れ、6月終わり頃まで様々なアジサイを楽しむことができます。

新東京百景

1982年には、新東京百景の69番に選定されました。

文化財

金剛寺には、多くの文化財が所蔵されています。その中でも特に重要なものとして以下のものが挙げられます。

重要文化財
木造不動明王及び二童子像：不動堂の本尊で、不動明王坐像を中心に、右に矜羯羅童子像、左に制吒迦童子像が安置されています。平安時代後期の作とされ、現在は奥殿に安置されています。
不動堂：室町時代前期に建立されたもので、桁行五間、梁間五間、一重、入母屋造、向拝一間、茅葺形銅板葺の建築物です。
仁王門：室町時代後期に建立されたもので、三間一戸楼門、入母屋造、茅葺形銅板葺です。
鰐口：鎌倉時代に作られたもので、文永10年の銘があります。
高幡不動本尊像内文書：南北朝時代に作られた69通の文書で、山内経之の自筆書状などが含まれています。
弘法大師二十五箇条遺告：平安時代の作品で、弘法大師空海が弟子たちに与えたとされる遺言を仮託して作られたものです。
重要美術品
五部権現神牌
その他
理趣経曼荼羅
八箇大事
神護寺経
大日如来坐像：平安時代中期の作で、大日堂の旧本尊です。現在は奥殿に安置されています。
上杉堂：上杉憲秋の墓所です。

交通アクセス

金剛寺（高幡不動尊）へは、京王線または多摩都市モノレールを利用して、高幡不動駅で下車すると便利です。

京王線：高幡不動駅下車徒歩2分
* 多摩都市モノレール：高幡不動駅下車徒歩5分

金剛寺は、歴史と文化、そして自然が調和した魅力的な場所です。ぜひ一度訪れて、その魅力を体感してください。

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