金剛山青年線

金剛山青年線の概要

金剛山青年線（クムガンサンチョンニョンせん）は、朝鮮民主主義人民共和国の江原道に位置する安辺駅から高城郡の鑑湖駅までを結ぶ鉄道路線です。この路線は全長114.8kmで、軌間は1435mm、安辺駅から金剛山青年駅までは直流3000Vで電化されています。ただし、複線区間は存在しません。

歴史

金剛山青年線の起源は、1929年にさかのぼります。日本が朝鮮を統治していた時代に、元山から釜山を結ぶ東海線の計画の一部として、この路線の建設が開始されました。初期のころは、慶州から北に向かう東海南部線と、元山から南に向かう東海北部線の2つの線が整備されました。1937年には襄陽まで開通しましたが、それ以降は戦争の影響で工事が停止し、完全な開通には至りませんでした。

営業開始当初から、この路線の重要性は低く、旅客列車の運行本数も限られ、運行体制は質素でした。東海北部線の各駅は当時、職員から「朝鮮総督府鉄道で最も勤務が楽な駅」と言われるほどでした。しかし、沿線には金剛山観光の重要拠点である外金剛駅（現・金剛山青年駅）などの観光地が点在しており、観光シーズンでは夜行列車が運行されることもありました。

戦後の状況

第二次世界大戦が終結し、日本の統治が終了すると、朝鮮半島は南北に分断されました。この結果、東海北部線の運行は北朝鮮側によって行われましたが、朝鮮戦争を経て設備は完全に破壊され、両国の運行は中止される事態となりました。

現在の状況

金剛山青年線は1996年に再び安辺駅から金剛山青年駅間が開通した際に名前が付けられ、復活しました。その後、2002年には北朝鮮鉄道省とロシアの合同調査が行われ、2005年には京義線や東海線との連結工事が進められました。つまり、金剛山青年駅から鑑湖駅を経て韓国側の猪津駅に至る区間も再開通しました。

しかし、2023年末には金正恩の南北統一方針の放棄に伴い、南北連結区間の北側線路の撤去が進められ、2024年10月には該当区間が爆破され、閉鎖されました。

駅一覧

金剛山青年線には以下の駅が存在します（廃止当時の位置を記載）：

• - 安辺駅
• - 梧渓駅
• - 桑陰駅
• - 荳白駅
• - 南涯駅
• - 鑑湖駅

また、旧・三日浦駅（現：廃止）は金剛山青年駅と元々一緒に存在していました。
このように、金剛山青年線は朝鮮半島の歴史的背景と共に歩んできた路線であり、観光の要所としての役割も果たしてきました。今後の運行や整備に注目が集まる路線です。

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