東海南部線

東海南部線概要

東海南部線（トンヘナンブせん）は、大韓民国の釜山広域市東区に位置する釜山鎮駅と、慶尚北道浦項市の浦項駅を結ぶ鉄道路線です。この路線は韓国鉄道公社（KORAIL）によって運営され、145.8kmの長さを有します。釜山鎮駅から釜田駅までの区間は電化されており、特定の区間は複線化が進められています。2016年12月30日に東海線に編入されたことにより、東海南部線はその歴史に新たな一章を加えました。

歴史的背景

この路線の起源は、1919年から1922年にかけて開業された特殊狭軌線に遡ります。この路線は、当時の朝鮮中央鉄道によって運営され、約73.2kmの区間を結ぶものでした。その後、東海線の建設が進み、1936年には軌間が1435mmに改軌されました。釜山鎮駅と蔚山駅の間は、朝鮮総督府による手で順次建設され、1934年から1935年にかけて運行が開始されました。

しかし、第二次世界大戦の終結後に朝鮮半島が南北に分断され、東海線の工事は進むことなく頓挫しました。これにより、東海南部線は一時的な運行を強いられることとなり、その重要度は相対的に低下しました。

運行状況と変遷

かつて、東海南部線ではセマウル号やムグンファ号といった優れた列車が運行されていましたが、慶州駅以北の区間は通勤目的の列車が主体となり、徐々にローカル線の成分を強めていきました。2004年のKTX開業以降、釜田駅が新たなターミナルとして位置づけられ、全列車がこの駅を発着するようになりました。さらに、釜山駅発の優等列車も多くが釜田駅発に切り替えられ、運行本数も増加しました。

最近のトレンドとしては、釜山から慶州・浦項へは高速バスや市外バスの運行が主流となり、鉄道の利用者数は減少傾向にあります。しかし、電化と複線化の進展により効率が向上し、一部の区間では運行が活性化しています。

近年の発展

沿線の開発や高度化に伴い、2010年代初頭から複線化や電化が進められ、釜田駅から日光駅間が2016年に完成しました。また、浦項駅から江陵駅間の東海中部線の工事も進んでおり、2020年には全線開通が見込まれています。しかし、地方自治体の予算面の都合から広域電鉄への指定は困難となり、すべて国費での建設となる見込みです。

ロシアとの連携

現在、ロシアの「シベリア・ランドブリッジ」構想において、東海線は重要な役割を果たすとされています。南北首脳会談で合意されたこのプロジェクトは、釜山とロシア沿海地方を結ぶ新たな交通網の一環とされ、将来的な発展が期待されています。

結論

東海南部線は、その長い歴史と共に多くの変遷を経てきました。現代においても、地域の交通網や経済発展に寄与し続ける鉄道路線としての存在感を示しています。また、今後の整備により利用状況が改善されることが期待されています。

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