金城紀光

金城紀光（きんじょう きこう）

生涯

金城紀光は、1875年（明治8年）11月4日に沖縄県で生まれました。代々医業を営む家系に育ち、幼い頃から医学への関心を抱いていました。沖縄県尋常中学校、第五高等学校を経て、1904年（明治37年）に東京帝国大学医科大学を卒業しました。卒業後は、同大学の副手や東京予備病院、東京市駒込病院で医師としての経験を積みました。

1907年（明治40年）、金城紀光は沖縄に戻り、沖縄県病院の院長に就任しました。同時に内科部長および医生教習所所長も兼任し、沖縄の医療水準の向上に尽力しました。1920年（大正9年）には、仲地紀晃らと共に那覇区西本町に私立元順病院を設立し、院長として地域医療に貢献しました。1926年（大正15年）には沖縄県医師会長に選出され、沖縄の医療界を牽引する存在となりました。

政治家としての活動

金城紀光は、医療活動と並行して政治の世界でも活躍しました。1921年（大正10年）に那覇市会議員に初当選し、同議長を務めました。1925年（大正14年）には沖縄県会議員にも当選し、県政にも携わりました。1932年（昭和7年）2月の第18回衆議院議員総選挙では、立憲政友会から沖縄県選挙区で出馬し当選。衆議院議員を一期務めました。

1935年（昭和10年）8月12日には那覇市長に就任しました。市長在任中は、下水道の敷設や教育施設の改善など、那覇市の都市基盤整備に尽力しました。1939年（昭和14年）8月11日に市長を退任するまでの間、那覇市の発展に大きく貢献しました。

戦後の活動

第二次世界大戦後も、金城紀光は医療活動を続けました。沖縄医療団長、金武保養院長、真和志診療所長、元順病院院長などを歴任し、沖縄の医療復興に尽力しました。1967年（昭和42年）8月10日にその生涯を閉じましたが、彼の功績は今もなお語り継がれています。

まとめ

金城紀光は、医師として、また政治家として、沖縄の発展に大きく貢献した人物です。地域医療の向上、教育施設の充実、都市基盤の整備など、多岐にわたる分野でその才能を発揮しました。彼の生涯は、沖縄の人々にとって大きな誇りであり、後世に語り継がれるべき偉業と言えるでしょう。

参考文献

衆議院・参議院『議会制度百年史 - 衆議院議員名鑑』大蔵省印刷局、1990年。
歴代知事編纂会編『日本の歴代市長』第3巻、歴代知事編纂会、1985年。
沖縄大百科事典刊行事務局編『沖縄大百科事典』上巻、沖縄タイムス社、1983年。
沖縄朝日新聞社編『沖縄県人事録』沖縄朝日新聞社、1937年。

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