金子誠一

金子誠一（かねこ せいいち）氏は、1964年7月23日に宮城県仙台市青葉区で生まれました。元プロ野球の外野手として阪神タイガースに所属し、現在は実業家として保険代理店の経営を手掛けています。

学生時代は東北高校で野球に打ち込み、1982年にはエースでチームの柱となる打者として、春と夏の甲子園に連続で出場しました。春の選抜大会では、初戦でPL学園高校と対戦し、相手エースの榎田健一郎投手との投げ合いに敗れました。夏の選手権大会でも、1回戦で熊本工業高校の奥村高次・野村裕二両選手が組むバッテリーに打線を抑え込まれ、惜しくも敗退しています。当時のチームには、2学年下に控え外野手の中根仁氏がいました。

高校卒業後、法政大学に進学。東京六大学野球リーグでは、在学中にチームは4度の優勝を経験しました。大学では当初投手でしたが、1学年上の西川佳明氏や同期の猪俣隆氏、石井丈裕氏といった実力派投手が揃っていたため、登板の機会に恵まれず、3年生になった1985年秋のリーグ戦から外野手に転向します。しかし、4年生の1986年春季リーグ開幕直前にぎっくり腰を患い、これがその後の野球人生に影を落とすこととなります。それでも、この春のリーグ戦ではレギュラーの座を獲得し、四番打者としても起用されました。東京六大学リーグでの通算成績は、28試合に出場し、95打席で28安打を放ち、打率.295、2本塁打、18打点という記録を残しています。大学の同期には、後にプロ入りする捕手の高田誠氏がいました。

大学を卒業した金子氏は、社会人野球の強豪である本田技研に入社。社会人野球の最高峰である都市対抗野球大会には2年連続で出場を果たします。1988年の都市対抗では、1回戦の対NTT東北戦で、新日本製鐵釜石からの補強選手だった足利豊投手から本塁打を放ち、その長打力が注目を集めました。

この活躍が評価され、1988年のプロ野球ドラフト会議で阪神タイガースから3位指名を受け、プロ野球選手としてのキャリアをスタートさせます。「和製カンセコ」とも称され、長距離打者としての期待が高まりました。

プロ1年目の1989年から早速一軍に定着し、主にライトとして23試合に先発出場するなど、活躍の場を得ます。翌1990年も30試合に先発しましたが、打撃面で思うような成績を残せず、その後は右の代打として起用されることが多くなりました。しかし、1993年にはチーム状況（新庄剛志選手の故障離脱など）もあり、再び30試合に先発出場しています。その後は徐々に出場機会が減少し、1995年限りで現役を引退しました。現役時代は、身長191センチの大柄な体格に似合わず、強肩俊足で守備には定評がありました。しかし、学生時代からの慢性的な腰痛に苦しみ、レギュラーとして定着するまでには至らなかったことが惜しまれます。

プロ野球引退後、金子氏はソニー生命保険に入社し、保険の営業マンへと全く異なる分野に転身しました。ソニー生命保険には、彼以外にも元プロ野球選手の市川和正氏や大門和彦氏らが在籍していました。保険業界での経験を積んだ後、2008年には独立。生命保険および損害保険を扱う保険代理店、株式会社FPスタジアムを設立し、現在も代表取締役社長を務めています。

プロ野球での背番号は、在籍期間（1989年〜1995年）を通じて「33」でした。プロ入り後は、1989年4月26日の対中日ドラゴンズ戦で代打として初出場を果たし、同30日の対広島東洋カープ戦では川端順投手からプロ入り初安打となる2点適時二塁打を放ち、初打点を記録しました。翌月の5月21日には、対横浜大洋ホエールズ戦で遠藤一彦投手からプロ初となる本塁打を放っています。

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