金尚徳

金尚徳の生涯と業績

金尚徳（キム・サンドク、1891年または1892年 - 1956年）は、日本の統治下にあった朝鮮で活動した独立運動家および政治家です。本名である金尚徳の他に、号は令洲としても知られています。彼は朝鮮の独立を目指し、数多くの運動や活動に従事し、その生涯を通じて国のために尽力しました。

幼少期と教育

金尚徳は慶尚北道高霊郡の小農の家庭に生まれ、最初の5年間を両親の下で過ごしました。彼は5歳のとき、父の勧めで書堂に通い始め、19歳まで漢学を学びました。1912年の4月、慶尚北道高靈公立普通学校に入学しましたが、翌年に退学。次に1915年、京城府の儆新中学校に入学し、1917年には陜川郡出身の許嫁と結婚しました。

当時の金尚徳は大工として働きながら学費を稼ぎ、夜間は勉強に励む日々を送りました。彼はまた、あるキリスト教会と接触し、近代的な知識を学んだことで民族意識と抗日の思いを強め、さらには独立運動を志すようになりました。

日本留学と独立運動の始まり

1917年に卒業後、金尚徳は専門教育を受けるため日本に渡ります。家庭の経済状況が厳しかったため、母校を通じて得たキリスト教系の支援を受けながら留学を遂行しました。東京では正則英語学校を卒業した後、早稲田大学政経学部に進学しましたが、生活が困窮したことから大学を中退せざるを得なくなりました。

1919年の1月6日、東京で開催された朝鮮留学生の雄弁大会に参加し、独立運動の展開方法を議論しました。この場で、金尚徳は「朝鮮青年独立団」を結成し、2月の2・8独立宣言に参加。彼は逮捕され、1920年に出獄しました。

臨時政府での活動

金尚徳は上海へ渡り、大韓民国臨時政府に参加しました。1922年の東方革命代表者大会では韓国代表としても尽力しました。臨時政府では慶尚道の議員として活動し、国民代表会議での改造派として政府の維持改革を訴えました。

彼はまた、上海青年同盟会を設立し、中国における独立運動の結束を図る活動にも取り組みました。時に時事研究会や各種の独立運動団体にも関わり、朝鮮民族革命党にも参加し活躍をしました。

光復とその後の活動

1945年の光復（解放）の後には、金九をはじめとした重要なメンバーと共に帰国し、韓国少年軍の顧問に就任、その後も反民族行為特別調査委員会の初代委員長となります。しかし、1949年に特別調査委員会は解散されました。

1950年には朝鮮戦争の際に北朝鮮の軍に拉致され、生涯を閉じることになります。彼の功績は1990年に建国勲章独立章として評価されることとなりました。

映像作品

彼の生涯に関するドラマが1990年に放映され、多くの視聴者にその業績が紹介されました。彼の独立運動家としての活動は、韓国における近代史において欠かせないものであり、彼の名は今もなお多くの人々の記憶に刻まれています。

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