金岡秀友

金岡秀友（かなおか しゅうゆう）は、1927年7月31日に埼玉県で生まれ、2009年7月23日に生涯を閉じた日本の仏教学者、真言宗の僧侶です。東洋大学の名誉教授であり、文学博士の学位を持ちます。また、新義真言宗系の妙楽寺（東京都八王子市）の住職も務めました。

生涯

1927年に生まれた金岡秀友は、東京大学文学部印度哲学科に進学し、1952年に卒業しました。その後、東洋大学文学部の助教授となり、セイロン大学（現スリランカ大学）に招聘され、海外での研究活動も行いました。1962年には、学位論文『ミーマーンサー・スートラ研究』を東洋大学に提出し、文学博士の学位を取得しました。後に東洋大学文学部の教授に昇格し、1992年に定年退任するまで長きにわたり教鞭を執り、名誉教授となりました。2009年7月23日、肺炎のため81歳で遷化しました。

研究活動

金岡秀友は、仏教、特に密教に関する研究に大きな功績を残しました。その研究は、インド哲学の深い知識に基づき、仏教の教義や歴史を詳細に分析したものでした。また、空海の思想に関する研究も重要な業績であり、多くの著作や論文を発表しました。

著作活動

金岡秀友は、数多くの著書や共著、訳書を出版しました。

著書

『伝燈の系譜：金岡秀友集』
『金岡秀友選集』（全10巻）

共編著

『仏教宗派辞典』
『根本仏教 シンポジウム仏教』
『講座密教』（全4巻）
『砂漠と幻想の国：アフガニスタンの仏教』
『部派仏教 シンポジウム 仏教』
『日本仏教の宗祖』
『空海辞典』
『大乗仏教 歴史編 シンポジウム 仏教』
『シルクロードと仏教』
『仏教入門』
『古寺名刹大辞典』
『大宇宙のドラマ：空海・その人と教え』(監修)
『大乗菩薩の世界』
『仏教日常辞典』

訳書

『大乗仏教概論：仏教の涅槃の概念』
『小乗仏教概論：仏教の中心概念 およびダルマ(法)という語の意義』
『大乗仏典』
「理趣経・ダラニ集」
『即身成仏義』
『般若心経秘鍵』
『マンダラの理論と実際 特に現代の深層心理学を考慮して』
『弁顕密二教論』
『傍訳弘法大師空海梵網経開題』

これらの著作は、仏教学の研究に貢献するだけでなく、一般の人々にも仏教への理解を深める上で重要な役割を果たしています。

教育活動

金岡秀友は、長年にわたり東洋大学で教鞭を執り、多くの仏教学者を育てました。その教育活動は、仏教研究の発展に大きく貢献しました。

家族

長男の金岡秀郎も仏教学者であり、国際教養大学の特任教授としてモンゴル仏教を研究しています。

外部リンク

紀伊國屋書店>弁顕密二教論

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