金教臣

金 教臣：朝鮮キリスト教の先駆者

金 教臣（キム・キョシン）は、1901年4月18日に生まれ、1945年4月25日に亡くなった朝鮮のキリスト教指導者です。彼は慶州金氏の出身であり、彼の生涯は、キリスト教の普及と朝鮮の独立運動に深く関わっていました。

人物背景

金の故郷は咸鏡南道の咸興府で、彼は1919年に留学のため日本の正則英語学校に入学しました。そこでの経験が彼の人生に大きな影響を与えました。1920年、東京にあるホーリネス教会で受洗し、以降は内村鑑三の講義に感銘を受け、聖書集会に積極的に参加するようになりました。彼の教育者としてのキャリアは、1927年に東京高等師範学校理科第3部を卒業した後、咸興の永生女子高等普通学校の教師として始まります。

教育と活動

金は1928年から京城の養正高等普通学校で教職に就き、1940年には第一高等普通学校、さらに1941年には開城の松都高等普通学校で教えていました。彼は教育現場において新しい価値観と信仰を広めることを目指しました。特に、1927年に無教会主義の同志たちと共に創刊した『聖書朝鮮』誌では、彼の思想が色濃く反映されています。彼は「世の中で一番良いものは聖書と朝鮮である」と訴え、新たな朝鮮を聖書の教えに基づいて建てることの重要性を説きました。

政治的弾圧と信念

1940年には『内村鑑三と朝鮮』を出版しましたが、これは当局からの弾圧を受けるきっかけとなります。彼が朝鮮の独立を主張する内容は、治安維持法の下で「聖書朝鮮事件」として取り上げられ、金自身も1年間の投獄を経験しました。それにもかかわらず、彼は信念を曲げることなく、創氏改名や日本語の常用を強制されても拒否し続けました。

最期と遺産

1944年、金は興南にあった日本窒素肥料工場に勤務しながら、労働者のためのセツルメント活動に従事しました。彼は、光復を前にして1945年4月に発疹チフスのために急逝しました。彼の活動は、キリスト教の普及だけでなく、朝鮮の独立をも視野に入れた重要なものでありました。

彼の遺した思想や活動は、今でも多くの人々に影響を与え続けています。金教臣の生涯は、信仰と教育、そして社会運動が融合することで、より良い社会を形成するための原動力となることを示しています。

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