金星 (相撲)

金星とは

金星（きんぼし）は、大相撲において平幕の力士が横綱に勝利することを指します。通常の勝利は白星と称されるため、三役以上の力士が横綱に勝っても金星とはならず、あくまで平幕の力士に限定されます。金星の獲得は、力士にとって一つの大きな栄誉であり、昇進のチャンスともなる重要な要素です。

歴史的背景

「金星」という用語は大正期から使われており、1930年には金星を獲得した際に力士の褒賞金支給標準額が10円増えることが正式に認められました。これにより、金星獲得は金銭的にも大きなインセンティブとなりました。金星を得た力士は、その場所の勝敗数に応じて三賞や殊勲賞の対象となることもあります。

金星の獲得条件

金星を獲得するためにはいくつかの条件があります。まず、不戦勝や反則勝ちでは金星とは認められません。過去に具体的な事例があり、2003年の朝青龍の反則負けの際、勝った旭鷲山には金星が与えられませんでした。勇み足など合法的な勝利に関しては金星になります。また、優勝決定戦での勝利も金星には該当しませんが、優勝した場合には30円の昇給が得られます。

表現と俗称

平幕力士が横綱に勝った際には「金星」と表現されるのに対し、大関に勝つことは「銀星」と俗称されることがありますが、これは公式記録には含まれません。さまざまなメディアでも、平幕が大関に勝つ際に「銀星」の呼称は使われません。特に白星と黒星という用語は、勝ちと負けを象徴する表現として広く使用されています。

金星獲得の記録

2024年1月現在、金星獲得数が最も多い力士は北の洋、出羽錦、鶴ヶ嶺、安念山、巨砲の5名が10個の金星を獲得しています。さらに、同一の横綱から4個以上の金星を獲得した力士も存在します。

最年少・最年長記録

金星獲得の最年少記録や最年長記録も存在し、特に最年長記録は1940年の大潮清治郎によるもので、39歳5ヶ月での金星獲得が最年長記録となっています。また、初金星獲得の最年長記録は2014年の豪風旭で、35歳1ヶ月でした。

金星をめぐる文化

金星を挙げることは、強大な相手に勝つことを意味し、これを大金星（だいきんぼし）とも呼ぶことがあります。さらに相撲界では、「金星」という言葉が美人を指す隠語としても使われることがあり、勝負運をもたらすとされる女性には「金星」と名付けられることもあります。

まとめ

金星は大相撲において特別な意味を持つ言葉であり、その獲得は力士にとって名誉だけでなく、実際に経済的な利益とも結びつく重要な項目です。金星を獲得した力士は、今後のキャリアにおいても大きな期待を寄せられることから、相撲の中でも特に注目される存在となります。

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