金東元

金 東元について

金 東元（キム・ドンウォン、朝鮮語: 김동원、1882年または1884年2月1日 - 没年不詳）は、日本の統治時代に活動した朝鮮の独立運動家、教育者、政治家です。彼は大韓民国の制憲韓国国会議員として活躍し、初代国会副議長を務めました。本貫は全州金氏であり、彼の弟である金東仁は小説家として知られています。

経歴

金東元は平安南道の平壌市倉田または大同郡で生まれました。1903年に平壌日語学校を卒業後、私立中学の郁文館（現在の郁文館中学校・高等学校）を経て、明治大学法科に入学しましたが、中退。その後、法政大学を卒業したか、再度中退したとされています。

彼は1910年から、平壌崇実学校、大成学校、崇徳学校、崇賢女子学校で教師として働き、大成学校の校長も務めました。また、崇仁学校、崇義学校、崇実学校、セブランス医学専門学校の理事または理事長、さらには木材商や平壌ゴム工場の経営者としても活動していました。

1911年には寺内正毅暗殺事件、いわゆる105人事件に関連して投獄され、約1年半の間拘束されました。1922年には、安昌浩の興社団の国内組織である同友倶楽部を立ち上げ、1925年に施設の修養同友会に、1930年には同友会に改編しました。1934年には朝鮮少年斥候隊平壌連盟の幹部としてボーイスカウト運動を推進しましたが、1939年には同友会事件により再び投獄されました。

光復後は大成学院を設立し、その運営に関与しました。また、米軍政長官の顧問や平壌の建国準備委員会のメンバー、韓国民主党の企画部長を歴任しました。そして、1948年に行われた初代総選挙では、韓国民主党の候補として国会議員に当選し、初代国会副議長の地位に就きました（1948年5月31日〜1950年5月30日）。朝鮮戦争が勃発すると、彼は北朝鮮に拉致され、その後の消息は不明となっています。

親日派疑惑

金東元は1937年7月31日に平壌で開催された愛国団体時局懇談会の共同組織者の一人でした。さらに、平壌商工会議所の会頭も務めていたため、多くの親日活動に従事していたと見なされています。しかし、彼は平壌随一の資産家であり、戦時中に資産や地位、安全を守るために協力せざるを得ない状況だったとの指摘もあります。そのため、根底には親日的な意図はなかったという評価も存在します。

1948年に民族政経研究所が発表した『親日派群像』では、金は尹致昊と共に紹介され、彼が自発的に活動を行った者として分類されました。また、親日と戦争協力が不適切であることを認識しつつも、自身の財産、地位、身辺の安全を考慮して行動していた者としても評価されています。彼の生涯は、親日派の複雑な立場を象徴するものでもあります。

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