金森 (守山市)

金森（かねがもり）

滋賀県守山市に位置する金森は、古くから人々の生活が営まれてきた集落です。その歴史は古代にまで遡り、弥生時代から平安時代にかけての遺跡や古墳が発見されています。中世には交通の要所として栄え、さらに寺内町としての独自の発展を遂げました。

古代の金森

金森には、弥生時代から平安時代にかけての金森遺跡や金森東遺跡があり、集落跡や井戸跡、方形周溝墓などが見つかっています。また、市内最大の箱庭古墳（前方後円墳または帆立貝式古墳）が存在することから、この地域に有力な首長がいたことが伺えます。7～8世紀以降には、周辺地域に条里制が敷かれ、金森もその一部として組み込まれました。

壬申の乱の際には、金森付近が「安河浜の合戦」の主戦場になったという説もあり、歴史上重要な場所であったと考えられています。平安時代には天台宗の影響が強く、仁願寺や興満寺といった寺院が勢力を誇っていました。また、川那辺氏が郡衙の役人として移り住み、金森城を築いて地域の指導者となっていきました。

寺内町としての発展

14世紀に入ると、金森を支配していた川那辺厚春が本願寺の教えに帰依し、金森は浄土真宗の信仰へと大きく転換しました。その子、川那辺在貞の時代には金森惣道場が開かれ、さらにその子、川那辺矩厚（道西）の時代には、道場を中心に環濠を巡らせた寺内町が形成されました。この寺内町は、宗教的な拠点としての機能だけでなく、防御的な役割も担っていました。現在でも、濠の跡や大門、城ノ下といった地名が残っており、当時の様子を偲ぶことができます。

1465年には、比叡山による「寛正の破却」で大谷を追われた蓮如が、道西を頼って金森に身を寄せました。蓮如は金森で門徒衆を結集し、比叡山に対して抵抗。これが史上初の一向一揆とされる「金森合戦」です。金森はその後も本願寺派の中心地として栄え、金森御坊を中心とした計画都市が形成されました。

後に飛騨国高山城主となる金森長近は、天文10年（1541年）までこの地で育ち、金森の姓を名乗っています。

戦国時代には、金森は近隣の蓮正寺と連携して城としての機能を備え、湖南地域の一向宗徒の拠点となっていました。しかし、織田信長の近江入国に伴い、金森の一向宗徒は信長に反抗。一時的に和睦しましたが、後に信長によって町域は荒廃しかけました。しかし、楽市・楽座の制札が与えられ、宿駅・市場としての機能を持つ集落として再興しました。

江戸時代から現代へ

江戸時代には、金森は旗本水野氏の領地となり、石高は855.7石でした。現代では、守山市金森町として、本郷・城之下・上代・川向・信楽の5つの地区からなる自治会が活動しています。また、金森山柿地区は独立した自治会として活動しています。金森川と案内川河川公園では、ゲンジボタルの保護活動やハリヨの育成活動が行われています。

近年では、市道や県道が整備され、交通の便が格段に向上しました。また、区画整理事業が進められ、新たな住宅地の建設が続いています。周辺には病院やスーパーマーケット、学校などの施設も充実しており、住みやすい地域として発展を続けています。

文化財と地場産業

金森には、重要な文化財として懸所宝塔や庭塚古墳があります。また、金森遺跡は弥生時代から平安時代にかけての集落跡として貴重な資料を提供しています。

地場産業としては、金盛酒造が清酒「金盛」を製造しています。

外部リンク

* びわこ川づくりネット　金森町

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