金森萬象

金森萬象（かなもりばんしょう）についての詳細

金森萬象（本名：金森政次郎）は、1893年に京都で生まれ、1982年に亡くなりました。彼は日本の映画監督及び脚本家として、新しい映画表現を築くことに寄与しました。特に、初期の日本映画の発展において重要な存在でした。

生い立ちと教育

金森は、京都市で育ち、地元の小学校を卒業した後、様々な職業を経験しましたが、映画の世界に入る決意を固めました。1917年には、活動写真雑誌社の京都支社を設立し、映画記者として活動を開始しました。この頃から映画に深く関わり、1919年には、日活関西撮影所の監督である牧野省三の書生となり、助監督としてのキャリアをスタートしました。

映画監督デビュー

金森は、1919年に新会社ミカド商会に参加し、映画『都に憧れて』の監督としてデビューしました。この作品が公開されたのは同年11月30日で、彼の名は映画界に知られるようになりました。その後、ミカド商会は日活に吸収され、金森は再び牧野省三とともに映画制作を続けました。

影響力のある作品

彼は特に、牧野省三と共に制作した作品群で知られています。1923年には、寿々喜多呂九平のデビュー作『浮世絵師 紫頭巾』を制作し、以降も多くの作品で寿々喜多と協力しました。金森の監督のもと、多くの映画が制作され、彼の作品は日本映画における特異なスタイルを確立しました。

マキノ・プロダクションとその後

1925年、金森はマキノ・プロダクションの設立に参加し、その後も数多くの映画を監督しました。1931年に同社が解散するまで、彼は数々の重要な作品の制作に携わりました。特に『京小唄柳さくら』は、マキノ・プロダクションの最後の作品として知られています。

その後、彼は内藤プロダクションに参加し、映画『大聖天理御教祖』を柏木一雄と共同で監督しましたが、この時期は過渡的なものでした。さらに正映マキノキネマに移り、制作経験を積み、映画制作の幅を広げました。

トーキーへの転換と晩年

1933年からはゼーオー・スタヂオでトーキー映画の制作にも参加し、当時の映画界の新しい流れに適応しました。しかし晩年には監督業を引退し、事務職として働くこととなりました。彼は1970年代に『映画今昔』という連載を行い、映画に対する情熱を持ち続けました。

1982年11月9日、金森は89歳で亡くなりましたが、彼の影響は現在においても多くの映画監督や脚本家に受け継がれています。2001年には彼の作品がイタリアで上映されるなど、国際的な評価も受けています。

まとめ

金森萬象は、日本映画の黎明期においてその礎を築いた著名な映画製作者です。彼の作品は、当時の社会や文化を背景に、多くの観客に愛されました。日本の映画史に名を刻む存在として、今後も多くの人々に記憶され続けるでしょう。

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