金水敏

金水敏（きんすい さとし）について

金水敏は、1956年4月29日生まれの日本の日本語学者です。彼は大阪府大阪市に生まれ、現在は兵庫県西宮市に住んでいます。学問の世界で数々の実績を持ち、特に日本語の文法に関する多岐にわたる研究で知られています。歴史的には、大阪府立北野高等学校在学中にはオーケストラ部の部長を務め、音楽的なバックグラウンドを持つ人物でもあります。

1979年に東京大学文学部を卒業した後、1982年には同大学院の国文科の博士課程を中退しました。その後、東京大学文学部で助手としてキャリアをスタートさせました。1983年からは神戸大学教養部で講師、1987年には大阪女子大学の助教授、1990年には神戸大学文学部の助教授として勤務し、1998年に大阪大学文学部の助教授に昇格しました。その後、2001年には大阪大学文学研究科の教授に就任し、2022年3月には定年退職しました。

定年退職後も活躍を続け、2022年4月からは放送大学大阪学習センターの所長として、新たな役割を担っています。また、彼は2020年に日本学士院会員に選出され、その後も日本語学会評議員や日本言語学会委員、言語処理学会理事、日本語文法学会副会長・評議委員など、さまざまな学術団体で重要な役割を果たしてきました。

研究の主なテーマは、日本語の文法全般であり、特に古典語から現代語にかけての言語的変遷に焦点を当てています。最近では、役割語に関する研究を進めており、この分野の先駆者とも言える存在です。具体的には、さまざまな文脈における言語の使われ方や意味の変化について深く探求しています。

これまでに数多くの著書を発表しており、1991年には日本認知科学会論文賞、1992年には豊田実賞、2006年には新村出賞を受賞しました。また、2023年には文化功労者にも認定され、彼の業績は幅広く評価されています。著書には『ヴァーチャル日本語　役割語の謎』（2003年、岩波書店）や『日本語存在表現の歴史』（2006年、ひつじ書房）などがあり、文庫版も近年出版されています。加えて、共編著としても多くの作品を手掛けており、言語学に関する重要な文献を多数残しています。

金水敏は、学問だけでなく、メディアや教育にも貢献しており、放送大学での活動を通じて入学者への日本語教育にも尽力しています。日本語の研究が持つ魅力を広く伝えることを目指している彼の姿勢は、今なお多くの学生や研究者に影響を与えています。

もう一度検索