金琫鎬

金琫鎬（キム・ボンホ）氏は、1933年5月10日、大日本帝国朝鮮時代の全羅南道海南郡に生まれました。韓国の政治家、社会運動家、教授、作家として、長くその名を歴史に刻んでいます。

彼は海南高等学校卒業後、全南大学校農科大学に進学。卒業後は精米所や搗精工場を経営する傍ら、延世大学校経営大学院経済科で修士号を取得するなど、幅広い経験を積みました。

政治家としてのキャリアは1978年、第10代総選挙で民主共和党から立候補、当選を果たしたことに始まります。その後、第15代国会まで6期にわたって国会議員を務め、国会副議長も歴任しました。特に、再選議員時代には国会憲法改正特別委員会基礎小委員会委員として、大韓民国憲法第121条に「国家は農地に関して、耕者有田の原則が達成できるよう努力しなければならない」という重要な規定を加えるなど、韓国の農地政策に大きな影響を与えました。

彼の政治活動は多岐に渡り、民主共和党、平和民主党、民主党など、様々な政党で要職を歴任しました。平和民主党政策委員長、南北両国会談代表、同党事務総長、民主党事務総長、国会経済科学委員長など、重要な役割を担い、韓国の政治発展に貢献しました。また、韓日議員連盟首席副会長兼大韓民国連盟側会長職務代行を務めるなど、国際的な活動にも携わっていました。

金氏は、政治活動以外にも、全羅南道道庁政策諮問委員、新政治国民会議特任行政委員、同会議指導委員長、同会議中央常務委員長、社団法人可楽中央宗親会理事長、財団法人可楽史跡開発研究院理事長、大韓民国憲政会元老会議副議長、延世大学校特任教授、新民党顧問、国民会議顧問、国民の党顧問など、数多くの役職を歴任し、韓国社会に多大な貢献を果たしました。

私生活では、息子の妻である女優チャン・ジニョン氏の死去の際には、舅として弔問に訪れるなど、公私ともに深い人間性の一端を垣間見ることができます。また2016年には、息子の金泳均氏が国民の党の党内選挙で候補から脱落したことに対し、党本部で抗議活動を行うなど、政治家としての強い信念と行動力も示しました。2023年には、制憲節に国会議長から感謝状を授与されるなど、その功績は高く評価されています。

学術面では、全南大学校名誉政治学博士、清州大学校名誉政治学博士号を取得し、また『政策と展望』上下巻を著すなど、政治思想についても広く知られています。フィリピン・コロミア十字大勲章を受章するなど、国際的にもその功績が認められています。

金琫鎬氏の生涯は、韓国の政治経済発展、特に農地改革に大きく貢献した、揺るぎない信念と行動力を持つ政治家、社会運動家、学者としての道を歩んだ証と言えるでしょう。彼の功績は、今後も韓国の歴史に刻まれることでしょう。

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