金益鉉

金 益鉉（キム・イクヒョン）の生涯と業績

金益鉉（1942年 - 2009年1月15日）は、朝鮮民主主義人民共和国において著名な軍人および政治家であり、数多くの要職を歴任した人物です。彼は金日成が導いた抗日パルチザン活動に関与し、その後の北朝鮮の軍政治において重要な役割を果たしました。彼の人生を振り返ることで、北朝鮮の歴史とその背景を理解する一助となるでしょう。

生い立ちと抗日活動

金益鉉は1922年に日本統治下の黄海道に生まれました。彼は日本の統治に抵抗するために、東北抗日聯軍に参加し、金日成が指揮する部隊で抗日活動に尽力しました。1945年の日本の統治の終了時まで、彼はこの部隊での活動を続け、朝鮮の独立を目指しました。抗日活動の日々は、彼の後の政治家としてのキャリアに深い影響を与えたと言えます。

政治キャリアの幕開け

日本の統治が終わると、金益鉉は1945年11月に北朝鮮共産主義青年同盟の委員長に就任しました。その後、金日成高級党学校を卒業し、1951年に朝鮮人民軍の第2師団第1連隊長として朝鮮戦争に臨みます。この役職を通じて、彼は軍事的な指導者としての地位を確立しました。

軍事的・政治的昇進

金益鉉の政治的地位は次第に昇進し、1968年には朝鮮労働党中央委員会の軍事部長に就任します。翌1970年には党中央委員会の委員に選出され、続けて1972年には中将に昇進。その年、彼は第4軍団の指揮官として新たな役割を担いました。また、同年12月には最高人民会議第5期代議員に選出され、政界でも重要な人物として活動を続けました。

彼は1975年に副総参謀長に任命され、1977年には上将に昇進して人民武力部の副部長となります。ここでも彼の軍事的な経験と知識を活かし、北朝鮮の軍の強化に寄与しました。

さらなる役職と栄誉

1991年5月、金益鉉は朝鮮労働党中央軍事委員会の委員および朝鮮労働党民間防衛部の部長に選出され、11月には大将に昇進します。この時期、彼は共和国英雄の称号を与えられ、1994年には次帥に昇進しました。彼の昇進は北朝鮮における彼の影響力を更に強化しました。

2003年には名誉職である最高司令部検閲官に就任し、自らの地位を保ちましたが、2005年には党の民間防衛部長の職を解任されることになります。にもかかわらず、彼は同年9月には中国で行われた戦勝60周年記念行事において、「抗日革命闘士代表団」の団長として出席し、中国の胡錦濤国家主席とも面会しました。

最後の時

金益鉉は2009年1月15日に病気を理由に死去しました。彼の訃報に際して、当時の総書記である金正日からは花輪が贈られ、その死が国家にとって大きな損失であることが示されました。

彼の人生を通じて、金益鉉は北朝鮮の歴史において重要な軍人および政治家として名を刻み、後の世代に影響を与え続けています。

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