釜塚古墳

釜塚古墳について

釜塚古墳（かまつかこふん）は、福岡県糸島市神在に位置する円形の巨大古墳です。この古墳は、国の史跡に指定されており、地域の歴史において重要な遺産とされています。

概要

釜塚古墳は、福岡県西部にある長野川の旧河口付近、東岸の低湿地に築かれた大型円墳です。明治時代には既に石室が発見されていたことが知られており、さらに1978年以降には3回の調査が実施されています。この古墳の直径は56メートル、高さは10メートルに達し、北部九州における円墳の中でも最大級の規模です。

古墳の墳丘は3段から成り、外部には円筒埴輪や形象埴輪が見られ、周りには幅5から8メートルの周濠が巡っています。墳丘北側には、周濠内に土橋が確認され、特に注目すべきは、国内最古級の石見型木製品が出土している点です。周囲には外堤が存在し、周辺全体の直径は89メートルに及びます。埋葬施設は古代の竪穴系横穴式石室で、内部には箱式石棺が設置されていましたが、副葬品の詳細に関してはまだ不明な点が多いです。

釜塚古墳の築造時期は、古墳時代中期にあたる5世紀前半頃とされています。同地域には、糸島で最大規模の一貴山銚子塚古墳もあり、どちらも大首長の墓とされる位置づけにあります。この古墳は、初期の横穴式石室を備えていることから、朝鮮半島との関連性を示唆し、周濠を持つことからヤマト王権との関係が考えられるなど、様々な文化的な特徴を持っています。また、大型古墳が低湿地に築造されている点も、特筆に値します。

釜塚古墳は1982年に国の史跡に指定され、その後も整備され保存されてきました。

歴史的な調査

古墳の発掘と調査は、1885年ごろに始まります。この当時、石室から棺や鏃といった遺物が出土しました。1929年には『糸島郡誌』に「釜塚」として古墳が記載され、その後、1973年度から始まる本格的な調査が行われ、1978年以降は複数回にわたる調査が続きました。1982年には国の史跡に指定され、2020年にはさらに周囲の史跡範囲が追加されるなど、重要な文化財として認められています。

埋葬施設の特徴

釜塚古墳の埋葬施設は竪穴系横穴式石室であり、維持状態には注意が払われています。この石室は墳丘の中央部に位置し、南東へと開口しています。玄室は割石の小口積みで作られ、サイズは長さ3.8メートル、幅は2.7から2.9メートルです。入り口部分の壁には大きな板石が用いられ、奥壁の中央には突起があるのも特徴です。羨道が玄室に接続しており、初期の横穴式石室の技術が見られます。

文化財としての重要性

釜塚古墳は、1982年に国の史跡の指定を受け、2020年にはその範囲が追加で指定されるなど、歴史的意義が高い文化財として評価されています。また、出土品の中にある石見型木製品は長さが204.8センチメートルで、国内でも最古級とされ、学術的な価値があります。これにより、古墳の研究も進められています。

現地の情報

釜塚古墳は福岡県糸島市神在405番地に位置し、アクセスは九州旅客鉄道（JR九州）筑肥線の加布里駅から徒歩約5分です。周辺には、伊都国歴史博物館があり、釜塚古墳の出土品などが展示されています。また、一貴山銚子塚古墳も近くに位置しており、双方の関係性を理解する上でも重要です。

このように、釜塚古墳は歴史的・文化的に価値の高い遺跡として、多くの方に関心を持たれています。

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