釣藤散

釣藤散（ちょうとうさん）は、慢性的な頭痛や肩こり、めまいといった症状を抱える中年以降の方で、高血圧の傾向が見られる場合に用いられる漢方薬です。この処方は、中国の医学書『本事方』に由来します。

効果と効能

釣藤散は、体力が中程度あるいはやや低下した方に適しています。特に、慢性的な頭痛、肩こり、めまいといった症状が複合的に現れ、かつ高血圧の傾向がある場合に効果を発揮します。

適応症

釣藤散は、以下の症状や疾患に対して用いられます。

慢性頭痛
神経症
めまい
老人性認知症
耳鳴り

組成

釣藤散は、以下の生薬から構成されています。

石膏（せっこう）: 5.0g
釣藤鈎（ちょうとうこう）: 3.0g
陳皮（ちんぴ）: 3.0g
半夏（はんげ）: 3.0g
麦門冬（ばくもんどう）: 3.0g
茯苓（ぶくりょう）: 3.0g
人参（にんじん）: 2.0g
菊花（きっか）: 2.0g
防風（ぼうふう）: 2.0g
甘草（かんぞう）: 1.0g
生姜（しょうきょう）: 1.0g

これらの生薬が組み合わさることで、釣藤散は特有の効果を発揮します。

相互作用

併用注意

釣藤散と特定の薬剤を併用する際には注意が必要です。特に、以下の薬剤との併用により、偽アルドステロン症やミオパシーといった副作用が現れやすくなる可能性があります。

甘草含有製剤
グリチルリチン酸及びその塩類を含有する製剤

これらの薬剤との併用は、慎重に行う必要があります。

副作用

釣藤散には、以下の副作用が報告されています。

重大な副作用

偽アルドステロン症
ミオパシー

その他の副作用

発疹
蕁麻疹
食欲不振
胃部不快感
軟便
下痢
便秘

これらの症状が現れた場合は、医師または薬剤師に相談してください。

注意事項

高齢者は、生理機能が低下していることが多いため、慎重な投与が必要です。
* 妊産婦、授乳婦、小児に対する安全性は確立されていないため、投与には注意が必要です。

釣藤散を使用する際は、医師や薬剤師の指示に従い、用法・用量を守って正しく服用してください。また、服用中に気になる症状が現れた場合は、速やかに医師または薬剤師に相談してください。

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