鈴木寿雄

鈴木寿雄（1904年1月19日 - 1975年9月15日）は、東京浅草に生まれ、昭和期に活躍した童画家です。小学校卒業後、丁稚奉公に出ますが、画家・川上四郎の影響を受け、絵を描く道へ進みます。初期には、赤本児童絵本の挿絵を手がけ、その才能を開花させました。

1940年には、東京日本橋三越と大阪大丸で個展を開催し、画家としての地位を確立します。しかし、第二次世界大戦の影響により、1944年に群馬県へ疎開し、館林高等女学校で講師を務めることになります。戦時下においても、教育の現場で後進の育成に尽力しました。

戦後、鈴木寿雄は再び絵本制作に力を注ぎ、数々の名作を世に送り出します。1953年には、第2回小学館児童文化賞を受賞するなど、その功績は高く評価されました。

彼の代表作としては、「げんこつやまのあかおに」「ごんぎつね」「ふるやのもり」「しおふきうす」「はいくのえほん」など、昔話を題材にした絵本が多数あります。これらの作品は、子供たちの心に深く残る、温かく、どこか懐かしい絵柄が特徴です。日本の原風景や、そこに生きる人々の姿を丁寧に描き出し、世代を超えて愛され続けています。

鈴木寿雄の才能は、血筋にも受け継がれています。兄は1936年ベルリンオリンピック銅メダリストの鈴木朱雀であり、娘は絵本作家の鈴木未央子です。家族全体が芸術に造詣が深く、それぞれの分野で才能を発揮しました。

1975年に鈴木寿雄は逝去しますが、彼の作品は、家族の意志により足立美術館に寄贈され、所蔵されています。これにより、彼の作品は永く保存され、多くの人々の目に触れる機会を得ることになりました。足立美術館では、定期的に鈴木寿雄の作品展が開催され、その業績を称えています。

彼の作品は、子供の頃に読んだ絵本として記憶に残っている人も多いのではないでしょうか。素朴で温かみのある絵は、見る人の心を癒し、懐かしい気持ちにさせてくれます。鈴木寿雄は、日本の童画の世界において、かけがえのない存在です。

童画家の鈴木寿雄について知りたい。 (大阪府立中央図書館) - レファレンス協同データベース

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