鈴木正裕

鈴木正裕の生涯と業績

鈴木正裕（すずき まさひろ）は、1932年1月31日に大阪府東大阪市で生まれ、2019年3月6日に亡くなるまで、日本の民事訴訟法の第一人者として知られていました。彼の学問の旅は、1954年に大阪府立住吉高等学校を卒業後、京都大学法学部へと進学したことからスタートします。在学中の司法試験に合格し、その後も法学の道を邁進しました。

1955年に京都大学を卒業し、同大学院法学研究科に進学。1957年には修士課程を修了し、1960年には博士課程の単位を取得します。この時期に彼は神戸大学法学部の講師として教職を開始し、その後助教授や教授を経て、1991年には神戸大学の第10代学長に就任しました。

鈴木氏の学問的キャリアの中で、他にもさまざまな役職を歴任しました。1974年から1979年、1982年から1984年には司法試験考査委員として、1985年から1999年には法制審議会の民事訴訟法部会委員を務め、多くの法律改革に尽力しました。また、1986年から1989年には民事訴訟法学会の理事長としても活動し、学界への貢献は計り知れません。

1995年に神戸大学を退官し名誉教授の称号を得た鈴木氏は、その後も弁護士として活動を続けました。特に大阪弁護士会に登録し、1996年には甲南大学で教授として教鞭を執りました。彼の学問への情熱は衰えることなく、2017年には京都大学から博士（法学）の学位を取得しています。

鈴木正裕の研究の特徴は、ドイツ民事訴訟法への深い造詣と、民事訴訟法の歴史的背景についての洞察です。特に彼は『近代民事訴訟法史・オーストリア』という著作を2016年に発表し、この作品によって京都大学から博士号を受けることができました。彼の研究指導の下に学んだ同門の学者たちも多く、その一部は日本の法学界で著名な存在となっています。

鈴木氏は「三羽烏」とも称されるグループに属することがあり、同じく民事訴訟法を専攻する新堂幸司や、京都大学の奥田昌道などと親交が深かったことでも知られています。彼の教育者としての姿勢は、学生や後進の学者たちに多大な影響を与え続けました。

彼の主な著作には、以下のものがあります：

• - 『近代民事訴訟法史・日本』
• - 『近代民事訴訟法史・日本2』
• - 『近代民事訴訟法史・ドイツ』
• - 『近代民事訴訟法史・オーストリア』
• - 『新民事訴訟法講義』
• - 『注釈民事訴訟法（全9巻）』
• - 『民事保全講座（全3巻）』

これらの著作は、多くの研究者や実務家にとって不可欠な資料となっています。

鈴木名誉教授は、2008年に瑞宝重光章を受章し、彼の業績が高く評価されたことを示しています。彼の晩年は、病に倒れた後も研究に従事し続け、法学界への影響は未だ残っています。2019年に大阪市内の病院で骨髄異形成症候群により亡くなった後、政府から従三位に叙され、彼の功績は日本の法学界で永遠に記憶されることでしょう。

もう一度検索