鈴木章介

鈴木章介について

鈴木章介（すずき しょうすけ）は、1936年11月11日に静岡県浜松市で生まれた元陸上競技選手で、主に十種競技と棒高跳びで活躍しました。彼の陸上選手としてのキャリアは中学校時代から始まりましたが、最初は走幅跳と三段跳びが専門でした。中学3年生の時に顧問の教師の勧めで棒高跳びに取り組み、その年にはベスト記録の2m67cmを記録しました。

陸上競技選手としての経歴

1952年に静岡県立浜松商業高等学校へ進学し、そこで本格的に棒高跳びを始めると同時に、他の種目でも競技会に出場しました。1954年には、全国高校体育大会において大会記録となる3m71cmを跳び、この年の高校日本一のタイトルを獲得しました。さらに、1955年には早稲田大学に進学し、大学の陸上部で多くの仲間と切磋琢磨しました。大学時代には、日本学生陸上競技対校選手権大会で活躍し、4×100mリレーでは3年連続で優勝を果たしました。

1958年には東京で開催されたアジア競技大会に日本代表として出場し、1959年には早稲田大学を卒業後、大昭和製紙に入社し続けて陸上競技を行いました。1961年には初の全国選手権で十種競技のタイトルを獲得し、1964年の東京オリンピックではオリンピック日本代表として選出されました。オリンピックでは6838点を記録しましたが、最終的には15位に終わりました。

野球界での活躍

東京オリンピック後、鈴木は現役を引退し、大昭和製紙に専念するつもりでしたが、知人の紹介でプロ野球・読売ジャイアンツの川上哲治監督と出会い、トレーニングコーチとして巨人に入団することになりました。鈴木は1965年よりトレーニングコーチとして選手の指導を開始しました。彼の指導は当初、選手たちの反発を受けましたが、次第にそのトレーニング効果が現れ、成功を収めました。鈴木は、当時敬遠されていた水泳やウェイトトレーニングをいち早く導入し、選手たちの体作りに革命をもたらしました。

コーチとしての影響と退任後の活動

鈴木は1999年まで巨人に在籍し、その間のトレーニング指導は多くの選手に影響を与えました。退任後は故郷の静岡県浜松市に戻り、講演活動や母校の同窓会会長を務めています。さらには、巨人の臨時コーチとして若手選手への指導も続けました。

鈴木の指導哲学は多くの選手たちに支持され、特に投手の金田正一の体力向上に寄与し、彼を400勝に導いたことは、その功績の中でも特筆されます。また、1971年の日本シリーズでは選手の筋力強化指導を行い、その結果が成功を収めました。

私生活と家族

鈴木の妻は、同じく陸上競技選手であり日本代表の伊藤文子です。息子の望も野球界に進み、父親がコーチとして在籍していた巨人に入団しました。彼の陸上と野球にわたる素晴らしいキャリアは多くの人々に影響を及ぼし続けています。

もう一度検索