銀巴里

銀巴里は、1951年から1990年まで東京銀座七丁目に存在した、日本初のシャンソン喫茶として知られています。「東の銀巴里、西のラ・ベル・エポック」と並び称され、日本のシャンソン文化の発展に大きく貢献しました。

銀巴里は、数多くの才能あるアーティストを輩出した場所としても有名です。美輪明宏、青江三奈、戸川昌子、古賀力、金子由香利、戸山英二、大木康子、長谷川きよし、宇野ゆう子、嵯峨美子、クミコなど、ジャンルを超えた多彩なアーティストたちが、銀巴里を舞台にその才能を開花させました。彼らの歌声とパフォーマンスは、多くの人々を魅了し、日本の音楽シーンに大きな影響を与えました。

また、銀巴里は、三島由紀夫、なかにし礼、吉行淳之介、寺山修司、中原淳一といった著名な文化人たちが集うサロンのような場所でもありました。彼らは銀巴里の独特な雰囲気を愛し、互いに交流を深め、時には銀巴里の演出に協力するなど、その活動を支えました。銀巴里は、単なる喫茶店としてだけでなく、文化の発信地としての役割も果たしていたのです。

1990年の閉店日には、銀巴里で使用されていたコーヒーカップや食器類が、長年通い続けた常連客たちによって持ち帰られました。これは、銀巴里が多くの人々に愛され、その歴史が深く刻まれていたことを物語るエピソードです。

現在、銀巴里の跡地である銀座7丁目9番11号付近には石碑が建てられ、その存在を今に伝えています。また、唯一のれん分けされた店が札幌市のススキノに存在しましたが、2012年9月29日に閉店しました。

銀巴里は、その短い歴史の中で、日本のシャンソン文化の発展に大きく貢献し、多くの人々に愛される場所でした。その名は、今もなお、日本の文化史に深く刻まれています。

銀巴里を題材とした作品

音楽
美輪明宏「いとしの銀巴里」作詞・作曲：美輪明宏
野坂昭如「銀巴里物語」作詞：水木ひろし（桜井順のペンネーム）、作曲：桜井順
なかにし礼「さらば銀巴里」作詞・作曲：なかにし礼
詞集
なかにし礼「さらば銀巴里」さがみや書店

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