銖

銖（しゅ）とは

銖（しゅ）は、中国で使用されていた古代の質量の単位です。特に唐代以前の中国において、重要な役割を果たしていました。この単位は、他の質量単位と組み合わさって、より大きな質量を表す体系の一部として用いられました。

銖の体系

唐代以前の中国では、以下のような質量単位の体系が一般的でした。

1石 = 4鈞
1鈞 = 30斤
1斤 = 16両
1両 = 24銖

この体系に基づくと、銖は非常に小さな質量単位であることがわかります。具体的には、1両の24分の1に相当します。

銖の質量

漢代の1斤の質量を約226.67グラムと仮定すると、1銖の質量は約0.590グラムになります。これはあくまでも推定値であり、時代や地域によって多少の変動があった可能性があります。しかし、この値から、銖が非常に微小な質量を測るために用いられていたことが推測できます。

1 両 = 24 銖 = 約14.167 g
1 斤 = 16 両 = 384 銖 = 約226.67 g
1 鈞 = 30 斤 = 11,520 銖 = 約6,800 g
1 石 = 4 鈞 = 46,080 銖 = 約27,200 g

銖の変遷

唐代以降、中国における質量の単位は十進化の傾向を強め、銖は次第に使われなくなりました。これは、より計算しやすく、実用的な単位体系への移行を意味しています。

しかし、銖の概念は完全に消滅したわけではありません。例えば、日本の江戸時代の貨幣体系における「朱（しゅ）」は、この「銖」に由来しています。ただし、江戸時代の「朱」は「両」の1/16として定義され、中国の古代の「銖」とは異なる値を持っています。

現代中国では、タイの通貨であるバーツを「泰銖（タイシュ）」と表記しています。これは、歴史的な「銖」とは関係なく、単に音訳として用いられています。

銖と歴史

歴史的には、「五銖銭（ごしゅせん）」という貨幣が有名です。これは、漢代に鋳造された銭貨で、その重さが五銖であったことからこの名前が付けられました。五銖銭は、当時の経済において重要な役割を果たし、中国の貨幣史において欠かせない存在です。



このように、「銖」は中国の古代における重要な質量単位であり、その歴史は長く、様々な影響を後世に及ぼしています。

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