常

常についての詳細

「常」とは、中国および日本の古代において用いられた長さの単位の一つです。この単位は、特に周代の中国にこれが見られます。周代の長さの計測において、16尺は2尋、そして1常に相当しました。当時の1尺は約23センチメートルであり、これは近代日本の7尺6寸に相当します。このように、常は単なる計測の単位を超え、言語や文化に深く根付いた存在でした。

日本においても、律令制初期の時代に布の丈を測る単位として「常」が使われています。有名な古典文献『令集解』の中の注記によると、長さ1尺3寸の布を1常とし、これを基準にしていました。これにより、当時の行政や流通において、布の取引や役務が円滑に行われました。たとえば、和銅6年の格においては、2尺6寸の庸布を持って1段とする規定が記されており、当時の社会の中で「常」が如何に重要な役割を果たしていたかが理解できます。

また、『続日本紀』においても庸調を銭で納める際に5文で常分の布を納付することが明記されているのです。このような記録は、常が日本の経済や社会の構造においても大きな影響を与えていたことを示しています。しかし、時代が進むにつれて「常」から「段」への切り替えが進行しました。商布の取引においても、常を用いない規定が導入され、次第に使用されなくなっていく運命を辿ります。

それでもなお、「常布」という表現が後の記録に登場することは、常という単位が一旦は使われなくなったとはいえ、文化的な影響が長く続いたことを示唆しています。この単位には、単なる計測以上の意味が込められていると言えるでしょう。

関連項目

• - 普通
• - 平
• - 庸

参考文献

• - 小泉袈裟勝『図解単位の歴史辞典』（柏書房、1990年）ISBN 978-4-760105120
• - 森田悌「常」『日本歴史大事典 2』（小学館、2000年）ISBN 978-4-095-23002-3

このように、「常」という長さの単位は、中国と日本における長い歴史と文化を反映しており、単位の変遷を通じて我々は古代の商取引や社会の生活の一端を感じることができます。

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