錦海湾

錦海湾の概要

錦海湾（きんかいわん）は岡山県瀬戸内市南部に位置する湾で、瀬戸内海の備讃瀬戸に属します。バイ、長い歴史を持ちながら様々な用途に利用されてきましたが、近年では日本最大のメガソーラー（大規模太陽光発電所）が操業しています。

地理的特性

この湾は東西に約2.8km、南北に1.8kmの大きさを持ち、面積は約500ヘクタール（5km²）です。かつては海抜マイナス1メートル程度でしたが、北端を除く大部分では海抜0メートル以下の地域があり、最南部ではマイナス2.9メートル、中央部ではマイナス3.2メートルの地点も存在します。 1950年代後半に大規模な干拓工事が行われ、周囲の邑久町と牛窓町は干拓地に分割されました。2004年に町の合併により、すべてが瀬戸内市の管理下に入り、地域の発展へとつながっています。

周囲には集落が点在し、北東には玉津港や排水ポンプ場、南東には師楽港や鈴井海岸があります。1996年には干拓地の大部分が湿地として残されており、一部は耕作されて来ました。

岡山県の降水量は年間約1,105mmと全国平均より少ないですが、年間276.8日で降水量が1mm以下の日が多く、乾燥した気候が特徴です。この地域の気候を活かして、岡山県では14ヶ所のメガソーラーが稼働している状況です。

歴史と製塩事業

1905年に塩の専売制が導入され、その後1910年から行われた第1次塩業整理によって、瀬戸内地域の塩田は全国的にも重要な位置を占めることになります。錦海湾では入浜式から流下式の製塩方式へと移行し、1956年には干拓事業が開始され、約500ヘクタールの干拓地が造成されました。

錦海塩業組合も設立され、1959年から製塩工場が稼働し、340ヘクタールの塩田が完成しました。ただし、国内の塩生産量が過剰になると、1970年代には生産が工場にシフトし、塩田は廃止されました。

産業廃棄物処分場

塩田跡地はその地形上、農地には適さないため、1978年より産業廃棄物の最終処分事業が展開されました。しかし、2002年には製塩事業が廃止され、2008年までの間に産業廃棄物処理業務も終了しました。2009年に塩業が破産し地元自治体が跡地を取得する一方、重要湿地が形成されている状況です。

メガソーラー事業

塩田取得後、2012年にはメガソーラーの建設計画が発表され、塩田跡地約500ヘクタールのうち400ヘクタールに250MWpの発電所が建設される予定です。このプロジェクトは複数の企業による連合体で進められ、2013年に詳細な計画が発表されました。発電所は日本国内でも最大級の規模となり、推定年間売上は約100億円に達する見込みです。

このように、錦海湾は歴史的な変遷を経て、新たにエネルギーの供給源として、地域の発展に貢献し続けています。

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