錫杖岳

錫杖岳（しゃくじょうだけ）

錫杖岳は、岐阜県に位置する飛騨山脈（北アルプス）の山で、標高は2,168mです。槍ヶ岳と双六岳を結ぶ主稜線上の樅沢岳から南西方向に、笠ヶ岳へと続く稜線の延長上にあります。山体は、僧侶が持つ錫杖の頭部に似ていることから、その名が付けられました。

歴史

錫杖岳の初登頂は、1690年（元禄3年）に円空上人によって達成されたと考えられています。これは記録に残る最初の登頂です。一般向けの登山道は整備されていませんが、東側にあるエボシ岩はロッククライミングの対象として知られています。エボシ岩の初登攀は1927年（昭和2年）に記録されています。

1934年（昭和9年）12月4日には、山域が中部山岳国立公園の特別区域に指定されました。これにより、錫杖岳を含む周辺地域は、貴重な自然環境として保護されています。

地理

錫杖岳は、石英斑岩と玢岩（ひんがん）という種類の岩石で構成されています。これらの岩石は、山の形成過程において重要な役割を果たしました。

飛騨山脈（北アルプス）の笠ヶ岳から南に延びる稜線上に位置し、南には大木場ノ辻のピークがあります。これらの山々は、錫杖岳とともに壮大な山岳景観を形成しています。

水系

錫杖岳を源流とする河川は、高原川水系に属し、最終的には日本海へと流れ込みます。具体的には、以下の支流が錫杖岳を源流としています。

クリヤ谷（蒲田川の支流）
笠谷（高原川の支流）

これらの河川は、山岳地帯の豊かな自然を育むとともに、下流域の人々の生活を支える重要な水源となっています。

錫杖岳の魅力

錫杖岳は、その独特な山容と、ロッククライミングの対象となるエボシ岩など、多様な魅力を持っています。一般登山道がないため、登山には相応の経験と準備が必要ですが、その分、手付かずの自然が残されており、訪れる人々を魅了します。また、中部山岳国立公園の一部として、豊かな自然環境が保護されていることも、この山の大きな魅力の一つです。

関連情報

飛騨山脈（北アルプス）
中部山岳国立公園

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