鍛冶屋のヴァクーラ

鍛冶屋のヴァクーラ

ピョートル・チャイコフスキー作曲のオペラ『鍛冶屋のヴァクーラ』作品14は、ニコライ・ゴーゴリの短編集『ディカーニカ近郷夜話』の一篇「クリスマス・イヴ」を基にした全3幕の作品です。ヤーコフ・ポロンスキーがリブレットを執筆しました。

作曲の経緯

作曲は1874年の夏に行われ、ロシア大公妃エレナ・パヴロヴナの思い出に捧げられています。チャイコフスキーは匿名で楽譜をコンクールに提出し、見事勝利を収めました。

演奏史

初演は1876年にサンクトペテルブルクのマリインスキー劇場で行われましたが、上演回数は多くありません。チャイコフスキー自身が作品に満足せず、後に『チェレヴィチキ』として改作したためです。

配役

主要な登場人物は、鍛冶屋のヴァクーラ、彼が愛するオクサナ、魔女のソローハなどです。

楽器編成

オーケストラは、ピッコロ、フルート、オーボエ、クラリネット、ファゴット、ホルン、トランペット、トロンボーン、テューバ、ティンパニ、打楽器、ハープ、弦楽器など、多彩な楽器で構成されています。

あらすじ

物語は18世紀末のウクライナ、ディカーニカとサンクトペテルブルクを舞台に展開されます。

魔女ソローハは悪魔と手を組み、ヴァクーラがオクサナに会えないように邪魔をします。嵐の中、オクサナはヴァクーラをからかい、彼はオクサナに愛を告白しますが、誤解からチュブを殴ってしまいます。村人たちがクリスマス・キャロルを歌う中、オクサナはヴァクーラへの愛に気づきます。

一方、ヴァクーラはオクサナに女帝の靴を手に入れることを約束してしまいます。絶望したヴァクーラは悪魔を捕まえ、サンクトペテルブルクへ向かいます。女帝に謁見したヴァクーラは靴を願い出て、手に入れることに成功します。

クリスマスの朝、ヴァクーラが帰ってくると、オクサナは靴よりもヴァクーラ自身が欲しいと告げます。二人は結ばれ、村人たちに祝福されます。

作曲者自身の見解

チャイコフスキーは『鍛冶屋のヴァクーラ』を深く愛しており、作品の成功を切望していました。しかし、オペラとしての様式や音楽と舞台の調和に課題を感じていたようです。

関連作品

ミコラ・リセンコ： オペラ『クリスマスの夜』（1872年-1883年）
チャイコフスキー： オペラ『チェレヴィチキ』（1885年）
ニコライ・リムスキー＝コルサコフ： オペラ『クリスマス・イヴ』（1895年）

外部リンク

鍛冶屋のヴァクーラの楽譜 - 国際楽譜ライブラリープロジェクト)
Tchaikovsky Research
Belcanto （ロシア語）
* 鍛冶屋のヴァクーラ - オールミュージック

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