鍵屋辻

鍵屋辻（かぎやのつじ）

三重県伊賀市小田町、上野下幸坂町、上野西大手町にまたがる鍵屋辻は、六つの道路が交わる特徴的な交差点です。

接続道路

この交差点には、以下の6方向から道路が接続しています。

北西: 信楽道（御斎峠、信楽方面）
北東: 小六坂（平野北谷、関方面）
西方: 笠置街道（笠置、奈良方面）
東方: 上野中央通り（上野城、津市方面）
南西: 月瀬道（月ヶ瀬、山添方面）
南東: 塔西坂（上野市街、伊賀天神方面）

歴史

近世

鍵屋辻は、寛永11年（1634年）に発生した「鍵屋の辻の決闘」の地として歴史に名を刻んでいます。この決闘は、渡辺数馬が弟の仇である河合又五郎に挑み、最終的に又五郎が討たれたという事件です。この事件は、曾我兄弟の仇討ち、赤穂浪士の討ち入りと並ぶ、日本三大仇討ちの一つとして知られています。

近代

1916年（大正5年）には、伊賀軌道（現在の伊賀鉄道伊賀線）が開通し、近隣に鍵屋辻駅が設置されました。その後、伊賀軌道は伊賀鉄道、伊賀電気鉄道と改名され、合併などを経て大阪電気軌道、参宮急行電鉄、関西急行電鉄、近畿日本鉄道と所属が変わりました。しかし、戦時中の1945年（昭和20年）に休止され、1969年（昭和44年）に廃止となりました。

現在

現在、鍵屋辻はかつての賑わいを失い、交通の要所としての役割は、北東約1kmの小田西交差点、東方約300mの西大手交差点、南東約1.5kmの八幡交差点などが担っています。しかし、鍵屋辻の南側には鍵屋ノ辻史跡公園が整備され、付近には三重交通のバス停留所と車庫（三交上野車庫）が設けられています。

鍵屋ノ辻史跡公園

鍵屋の辻の決闘を記念する公園で、決闘に関する資料を展示する「伊賀越資料館」がありましたが、2019年4月1日から休館中です。また、公園内には茶店「数馬茶屋」がありましたが、建物の老朽化と耐震強度不足のため、2023年6月30日に閉店しました。伊賀市は、約2年かけて建物の補強工事を実施する予定です。

バス路線

鍵屋辻周辺には、三重交通と上野コミュニティバス（にんまる）の路線が乗り入れています。三重交通の車庫である三交上野車庫も、上野地区におけるバス交通の拠点となっています。

「鍵屋辻」停留所

路線バスとコミュニティバスが発着します。

三重交通
52系統・53系統（月瀬線）：上野市駅 / 桃香野口
桃香野口方面：52は永谷辻経由、53は法花経由
上野コミュニティバス（にんまる）
外回り循環：上野市駅
東コース・西コースを運行（ともに片回り循環）

「三交上野車庫」停留所

高速バス乗り場があり、「忍者ライナー」という愛称の高速バスが発着します。

三重交通
62系統（名古屋上野高速線）：名鉄バスセンター
当停留所を始終着とする路線。1日6往復を運行（※2023年12月時点）

地図情報

鍵屋辻から東へ進むと西大手駅を経て上野市駅へ、北へ進むと鍵屋辻駅跡付近を経て伊賀上野駅へ、西へ進むと木津川に至ります。

紺色のピン: 「鍵屋辻」の所在地。南側に鍵屋ノ辻史跡公園があります。
赤色のピン: 鍵屋辻駅跡（廃止当時は近鉄伊賀線）。
紫色のピン: 西側が西大手駅、東側が上野市駅（ともに伊賀鉄道伊賀線）。
緑色のピン: 上野公園 - 上野城や芭蕉翁記念館などを併設。

関連項目

伊賀越奈良道：伊勢国から伊賀国上野へ至る街道
* 伊賀越え：畿内より伊賀国を経由して東国へ行くこと

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