鎌倉車両センター中原支所

鎌倉車両センター中原支所について

鎌倉車両センター中原支所は、神奈川県川崎市中原区に位置するJR東日本首都圏本部の車両基地です。南武線の武蔵中原駅と武蔵新城駅の間に位置し、武蔵中原駅から入出区が行われます。高架構造の武蔵中原駅と地上の車両基地を結ぶ入出区線は、急勾配であることが特徴です。

歴史

南武線の車両基地は、その前身である南武鉄道の開業以来、矢向駅構内に存在しました。しかし、手狭になったため、1960年4月25日に中原電車区として現在の場所に移転し、矢向電車区から車両が移管されました。矢向駅には中原電車区矢向派出所が設置されましたが、後に廃止され、現在は留置線のみが残っています。

国鉄分割民営化後の1988年には、弁天橋電車区から鶴見線の車両が移管されました。これらの車両は、旧弁天橋電車区の敷地に新設された川崎統括センター鶴見線オフィスに常駐しています。

2015年3月14日に浦和電車区が改編されたことで、JR東日本で最後の電車区（車両と運転士の両方が所属する）となりました。しかし、2020年3月14日の組織改正により、中原電車区の検修部門は鎌倉車両センター中原支所となり、運転士部門は矢向車掌区と統合され、川崎運輸区（現在は川崎統括センター南武線オフィス）となりました。

構内施設

構内には、留置線、洗浄線、検修庫線、交検庫線などがあります。

留置線：0番線から7番線まであり、6両編成の車両を縦列留置できます。4番線と5番線は、南武支線や鶴見線用の車両を留置できるよう余裕があります。
洗浄線：8番線と9番線があり、手洗浄作業台が設置されています。
検修線：11番線と12番線は、台検庫に接続しており、天井クレーンやリフティングジャッキが配備され、機器の吊り替えや修理などが行われます。
交検線：13番線と14番線は、交検庫に接続しており、交番検査や機能保全が行われます。
武蔵中原駅側の留置線：16番線と17番線があり、途中に車両洗浄機があります。

車輪転削設備がないため、必要な場合は車両を国府津車両センターへ回送します。

配置車両の略号

配置車両に記される略号は「横ナハ」です。これは、横浜支社を意味する「横」と、中原を意味する「ナハ」から構成されています。発足当初は国鉄東京鉄道管理局管轄であったことから「東ナハ」でしたが、その後「西ナハ」、「東ナハ」と変遷し、1996年10月の横浜支社発足に伴い「横ナハ」となりました。

現在の配置車両 (2024年4月1日時点)

E233系8000番台・8500番台：南武線用として、6両編成35本（N1 - 35編成）と8500番台6両編成1本（N36編成）の計216両が配置されています。
205系：鶴見線用と南武支線用として、1100番台3両編成3本と1000番台2両編成3本の計15両が配置されています。2両編成は構内入換用の牽引車としても使用されます。
E131系1000番台：鶴見線用として、3両編成8本の計24両が配置されています。
E127系0番台：南武支線用として、2両編成2本の計4両が配置されています。
31系：クモハ12052が保留車として配置されていますが、定期運用はありません。
FV-E991系：水素燃料蓄電池電車の試作編成「HYBARI」が2両編成1本配置されています。

過去の配置車両

209系：かつて南武線で使用されていた車両で、2200番台が配置されていました。E233系導入に伴い、順次廃車・転属しました。
クモヤ145形：牽引車として使用されていた車両で、新型入換作業システムの導入に伴い廃車されました。
103系：鶴見線と南武線で使用されていた車両で、2006年までに全車廃車されました。
101系：南武線と鶴見線で使用されていた車両で、2003年までに全車運用を終了しました。

その他

修学旅行列車などの臨時列車で南武線に乗り入れた車両が、一時的に留置されることがあります。

参考文献

交通新聞社『鉄道ダイヤ情報』2014年8月号シリーズ車両基地2014　Vol.13（特別編）「東京メガループの車両基地に注目」pp.48 - 53

関連項目

中央新幹線：鎌倉車両センター中原支所の直下を、同線の第一首都圏トンネルが通過する予定です。
日本の車両基地一覧

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