鎌原重春

鎌原重春について

鎌原重春（かんばら しげはる）は、安土桃山時代に活躍した武将です。上野国吾妻郡鎌原郷を拠点とする国衆で、滋野氏の一族であり、真田氏と同族に当たります。武田氏が滅亡した後は、真田氏の家臣として仕え、その一族として活躍しました。

生涯

重春は、真田幸隆（幸綱）の弟である鎌原幸定の曾孫にあたります。天正3年（1575年）5月の長篠の戦いにおいて、父である重澄が武田氏に従軍し戦死したため、18歳という若さで家督を継承しました。父と同じく「宮内少輔」を名乗りました。

天正10年（1582年）3月、武田征伐によって武田氏が滅亡すると、重春はまず滝川一益に仕えましたが、本能寺の変の後に真田昌幸に属することになります。真田昌幸の一族衆として吾妻郡の経営に協力し、昌幸は弟の信尹の娘を養女とし、重春に娶らせています。

豊臣秀吉による沼田領裁定の後、重春は父の代からの縁がある岩櫃城を守備しましたが、慶長11年（1606年）に死去しました。家督は子の重宗が継承しています。法号は常林院殿三叟浄寅居士（鎌原城跡鎌原一族墓碑銘）、義光院殿（鎌原過去帳）とされています。

重春の夫人は元和5年8月1日（1619年9月8日）に亡くなっています。

重春の子孫も代々真田家に仕え、婚姻関係を重ねながら、沼田から松代への転封後には重臣として扱われるようになりました。重春の玄孫である重昌は、真田信政の娘である陽明院殿の名跡を継ぎ、真田姓を名乗るようになり、以降は真田図書の家として続きました。

補足

鎌原重春は、真田氏の一族として、その勢力拡大に大きく貢献しました。特に吾妻郡における真田氏の勢力基盤の確立に尽力したとされています。また、子孫も真田家に忠実に仕え、その家臣団の中でも重要な位置を占めるようになりました。

関連情報

真田桜山: 鎌原重春と関係のある人物。
吾妻郡嬬恋村鎌原: 鎌原氏の拠点があった場所。
鎌原城: 鎌原氏が居城とした城。
鎌原観音堂: 吾妻郡嬬恋村鎌原にある観音堂。
鎌原神社: 吾妻郡嬬恋村鎌原にある神社。
吾妻山無量院: 鎌原氏と関連のある寺院。
龍燈山常林禪寺: 鎌原氏と関連のある寺院。

参考資料

柴辻俊六『真田昌幸』吉川弘文館〈人物叢書〉、1996年。ISBN 464205202X。
* 丸島和洋『真田一族と家臣団のすべて』KADOKAWA〈新人物文庫〉、2016年1月、137-141頁。ISBN 978-4-04-601099-5。

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