鎌原

鎌原（かんばら）

群馬県吾妻郡嬬恋村に位置する大字、鎌原。人口は約2000人で、浅間山の北麓、吾妻川の右岸に広がる広大な地域です。かつては上野国吾妻郡鎌原村として存在していました。

地理

鎌原は浅間山の北側に位置し、標高約900mの場所に中心部があります。北西には大笹や田代、西には大前、北東には芦生田といった地域と隣接しています。東側は長野原町に接し、南側は湯ノ丸山、篭ノ登山、浅間山を挟んで長野県の上田市、東御市、小諸市、御代田町、軽井沢町と接しています。

歴史

鎌原の地名は南北朝時代から存在しますが、中世後期には鎌原氏が鎌原城を築き、この地を支配していました。鎌原氏は戦国時代には武田氏の支配下に入り、その後は真田氏に仕え、沼田藩の重臣として活躍しました。沼田藩の改易後は、地元の名族として大笹関所の番役を務め、明治維新を迎えます。

江戸時代には、信州街道の宿場町として賑わいました。しかし、天明3年（1783年）の浅間山大噴火によって、鎌原村は壊滅的な被害を受けました。火砕流が泥流を巻き込み、村全体を埋没させたのです。この噴火により、477名（または466名）もの犠牲者が出ましたが、高台にあった鎌原観音堂に避難した93名が生き残りました。近隣の大笹村などの支援や、幕府からの復興資金によって再建が行われましたが、村は人口の8割を失い、復興は困難を極めました。埋没した田畑の多くも復旧することができませんでした。

明治22年（1889年）には町村制の施行により、嬬恋村の大字となりました。昭和46年（1971年）には、国鉄吾妻線の延伸に伴い万座・鹿沢口駅が開業しました。昭和54年（1979年）以降は、天明大噴火で埋没した地域の本格的な発掘調査が行われ、様々な発見がありました。発掘された遺物を展示するために、嬬恋郷土資料館が建設されています。

交通

鉄道：
JR東日本吾妻線：万座・鹿沢口駅

道路：
国道144号（国道406号と重複）
国道146号
群馬県道59号草津嬬恋線
群馬県道235号大笹北軽井沢線
鬼押ハイウェー

施設

鎌原城跡
鎌原観音堂
嬬恋郷土資料館
鬼押出し園

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