鏡山 (東広島市)

鏡山（かがみやま）

広島県東広島市に属する町名である鏡山は、その地理的な位置から、特に学術研究機能が集約された地域として知られています。本項では、便宜的に隣接する鏡山北についても合わせて詳述します。

地理と構成

鏡山地区は、東広島市のほぼ中央部に位置し、JR山陽本線の寺家駅から南におよそ4キロメートルほど離れた場所にあります。地域の周囲は、北を下見、東を御薗宇、そして南と西を田口といった他の町に接しています。鏡山は一丁目から三丁目まで区分されており、このうち一丁目と三丁目においては住居表示が実施されていますが、二丁目および鏡山北では未実施となっています。

地域の特徴

この地域の最大の特色は、学術および研究関連施設の集積です。広大な敷地を誇る広島大学東広島キャンパスが鏡山一丁目の大部分を占めるほか、鏡山三丁目には広島中央サイエンスパークが設けられ、酒類総合研究所や広島大学の産学連携施設、さらには複数の民間企業の研究拠点が集まっています。こうした特性から、地域内には研究者や学生向けの施設は多いものの、一般的な住居や商業施設は限られています。

交通網

鏡山地区には、過去から現在に至るまで鉄道路線が敷設されたことはありません。最寄りの鉄道駅としては、北東方向へ約4キロメートル離れたJR山陽本線の西条駅や、南東方向へ約6キロメートル離れた山陽新幹線の東広島駅などがありますが、いずれも一定の距離があり、鉄道での直接アクセスは不便です。

地域の主要な交通手段はバスです。特に広島大学のキャンパス周辺には多数のバス路線が運行されています。芸陽バスと中国JRバスが中心となり、西条駅、八本松駅、東広島駅など、市内の主要駅と広島大学を結ぶ路線が頻繁に運行されています。これらの路線の多くは、広島大学キャンパスの周囲に設けられた9箇所のバス停留所を反時計回りに巡回するルートをとっています。また、広島国際大学方面への路線も利用可能です。さらに、広大中央口バス停や広島大学学生会館前バス停からは、大阪や東京方面へ向かう夜行高速バスも発着しており、市外・県外への長距離移動の拠点ともなっています。

道路交通においては、地域内を国道375号線が縦断しており、南は呉市広方面、北は山陽自動車道西条インターチェンジや東広島市福富町方面へと接続しています。また、広島県道67号馬木八本松線が東西に走り、東広島市西条町馬木方面（東広島呉自動車道馬木インターチェンジ含む）や東広島市八本松町方面へのアクセスを担っています。その他、西条駅と大学を結ぶ主要な市道であるブールバール（東広島市道西条駅大学線）や、広島県道331号下三永吉川線、広島県道332号吉川西条線といった県道も地域内に通じています。

主な施設

各町域には以下のような主要施設が立地しています。

鏡山一丁目: 広島大学東広島キャンパスの主要部分が所在し、教育・研究の中枢を担っています。
鏡山二丁目: 鏡山城跡を整備して作られた鏡山公園があり、地域の緑地空間を提供しています。また、広島大学の学生寮である池ノ上学生宿舎や、職員寮であるががら職員宿舎もこの区域にあります。
鏡山三丁目: 広島中央サイエンスパークがあり、各種研究所や企業の研究施設が集積しています。教育機関としては、広島県立西条農業高等学校や東広島市立御薗宇幼稚園もこの町域に位置しています。生活関連施設としては、サイエンスパーク前郵便局があります。
鏡山北: 広島大学附属幼稚園が設置されています。

教育環境

鏡山地区にお住まいのお子様が公立の小中学校へ通学する場合、居住する区域によって学区が異なります。主な通学先としては、三ツ城小学校から中央中学校へ進むケース（主に西条中央の学区）、郷田小学校から向陽中学校へ進むケース（主に西条町郷曽の学区）、そして御薗宇小学校から松賀中学校へ進むケース（主に西条町御薗宇の学区）の3通りがあります。地域内に設置されている教育施設については、前述の「主な施設」の項をご参照ください。

人口統計

2023年10月時点の統計によると、鏡山および鏡山北の世帯数と人口は以下の通りです。

鏡山一丁目: 46世帯、50人
鏡山二丁目: 362世帯、531人
鏡山三丁目: 139世帯、318人
鏡山北: 43世帯、100人

鏡山二丁目が最も世帯数・人口が多い傾向にあります。

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