鐘馗寺

鐘馗寺（しょうきじ）

愛媛県松山市にある鐘馗寺は、地域の信仰を集める寺院であり、厄病除けや子供の守護神として周囲から親しまれています。本尊は鐘馗大神で、歴史的背景が豊かなこの寺院にはさまざまな魅力があります。

本尊 鐘馗大神

鐘馗大神は、唐の玄宗皇帝が熱病に悩まされた際、夢の中で助けをもたらした守り神です。この神は、一般的には「鍾馗」として表記されますが、鐘馗寺では「鐘馗」から派生した「童」の形で尊敬されています。神調伏の神として、さまざまな悪霊や病気から守ってくれる存在とされています。

由緒

鐘馗寺の起源は、宝亀3年（762年）にさかのぼります。この地域では、夜にお化けが出るとの噂が立ち、これを聞いた修行者が真相を確かめるために古屋敷で一晩過ごしました。すると、黒い影が現れ、壁に入っていくのを目撃しました。壁をよく見ると、鐘馗大神の御真影が貼ってあったことから、その影を安養寺に移し、本尊として崇めることになりました。それ以降、お化けは出なくなり、地域の熱病も収束しました。このような経緯から、鐘馗大神は厄除けと子供の守護神として受け入れられ、礼拝されるようになりました。

また、昭和29年（1954年）には、松山市の浄土宗菩堤山不退寺と合併し、現在の鐘馗寺と名を改めました。現在は単立寺院として、法事や葬式を行わない形で運営されています。

年中行事

鐘馗寺では、毎年7月11日と12日に「鐘馗祭」と呼ばれるお祭りが行われ、多くの参拝者で賑わいます。この祭りは、松山の三大夏祭りのひとつに数えられ、祭りの日には本堂の御真影が開帳されます。夕方からは周辺の道路が歩行者天国になり、多数の露店が並び、地域住民や観光客が訪れます。

その他の情報

鐘馗祭では、鎮守鐘馗大神と記された御神札や鐘馗大神の御真影、お守りが配布されます。その中でも特に御真影は、近隣の家庭の入口に貼られることが多く、魔除けの役割を果たしています。地域の人々にとって、鐘馗寺は心の拠り所となっているのです。

アクセス

鐘馗寺へのアクセスは便利で、伊予鉄道市内電車環状線の高砂町停留場から徒歩3分、また本町線の本町五丁目停留場や本町六丁目停留場からもそれぞれ徒歩5分の距離にあります。周辺には、松山市立清水小学校や勝山中学校、松山大学などの教育機関も立地しています。

お気軽に訪れてみてください。鐘馗寺は、歴史と伝説が息づく魅力的な場所です。

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