長圓寺 (京都市)

長圓寺の紹介

基本情報

長圓寺（ちょうえんじ）は、京都市下京区に所在する浄土宗に属する寺院で、山号は延命山です。本尊には阿弥陀三尊が祀られ、観音堂には聖観音が奉納されています。この観音堂は、洛陽三十三所観音霊場の第24番札所に指定されています。長圓寺は、その歴史的な背景と霊的な意義から、多くの信者に親しまれています。

歴史的背景

長圓寺の起源は一条天皇の治世、平安時代の寛和2年（986年）に遡ります。この頃、平安京で流行した疱瘡によって多くの生命が失われ、その状況に心を痛めた大納言の藤原親衡は、天禄3年（972年）に恵心僧都の源信に依頼して聖観音像を彫刻させました。親衡は、この像を宮中に安置し、祈祷を行った結果、疱瘡の流行は徐々に収束しました。

その後、天正15年（1587年）には、三河から上洛した大誉上人浄阿清巌が、清水寺の観音像の霊告を受け、比叡山延暦寺に存する聖観音像を譲り受けて、現在の場所に観音堂を建立しました。この観音堂は、かつての霊験あらたかな聖観音像を安置する場所として重要な役割を果たしています。

慶長13年（1608年）には板倉勝重が清巌に帰依し、この観音堂に土地を寄進しました。また、慈覚大師円仁が彫った阿弥陀三尊像も寄進されました。それに伴い、本堂や庫裏などが整備され、勝重の死後には「長圓院」という院号から名付けられ、寺名も長圓寺となりました。

長圓寺は、天明8年（1788年）に発生した天明の大火により伽藍が焼失しましたが、幸いにも阿弥陀三尊像と聖観音像は無事であり、すぐに第15世の瑞誉によって再建されました。また、明治維新や廃仏毀釈の影響を受けながらも、生き残ることができましたが、1931年（昭和6年）には火災に見舞われ、再び多くの建物を失うことになりました。しかし、1932年（昭和7年）には早々に再建を果たしています。

寺院の境内

長圓寺の境内には、重要な文化財や建物が点在しています。特に注目すべきは、1932年に再建された本堂と、洛陽三十三所観音霊場の第24番札所である観音堂です。その他にも、庫裏や山門も存在しており、訪れた人々に静けさと安らぎを提供しています。

アクセス

長圓寺は、京都市下京区松原通大宮西入中堂寺西寺町33に位置しています。交通アクセスも良好で、以下の手段で訪れることができます：

• - 京都市営バス大宮松原バス停から徒歩約5分
• - 京都市営バス五条壬生川バス停から徒歩約7分
• - JR西日本丹波口駅から徒歩約10分

長圓寺は、歴史的な背景を持つ浄土宗の貴重な寺院で、訪れる人々に深い精神的な体験をもたらします。静かな境内は、心を落ち着け、仏の教えに触れる場所として、多くの信者や観光客に愛されています。

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