長島弘三

長島弘三：日本の鉱物学と分析化学に貢献した化学者

長島弘三（1925年2月21日-1985年1月6日）は、日本の分析化学、無機化学、地球化学の分野において卓越した業績を残した化学者です。日本のアマチュア鉱物学のパイオニアである長島乙吉を父に持ち、幼い頃から鉱物や化学への関心を育みました。

1944年、東京帝国大学理学部化学科に入学。その後、大学院に進み、木村健二郎教授の指導の下、研究に没頭しました。1950年には東京大学教養部助手としてキャリアをスタートさせ、その後、東京農工大学、東京大学と職を転々とし、1966年には東京教育大学理学部教授に就任しました。1976年には東京教育大学の改編に伴い、筑波大学化学系教授となり、1977年には古代オリエント博物館理事、1983年には大学入試センター研究部教授を兼任するなど、精力的に活動しました。1985年、59歳の若さで逝去しました。

長島博士の研究は多岐に渡りますが、特に希土類元素を含む鉱物の分析と新鉱物の発見において大きな貢献をしました。1952年には、箱根火山岩の地球化学的研究により東京大学から理学博士号を取得。その後、数多くの希土類元素を含む鉱物の分析を行い、その成果は日本の鉱物学、地球化学の発展に大きく寄与しました。

彼の研究によって発見された、もしくは発見に貢献した新鉱物は数多く存在します。具体的には、飯盛石、木下雲母、益富雲母、欽一石、サラバウ鉱、逸見石、イットリウム木村石、アンモニウム白榴石、ストロナルス石などがあげられます。これらの新鉱物の発見は、日本の鉱物学研究において重要なマイルストーンとなりました。それぞれの鉱物の発見は、長島博士の精密な分析技術と鋭い洞察力、そして地道な研究姿勢の賜物と言えるでしょう。

長島博士の研究は、単に新鉱物を発見することに留まりません。彼の分析データは、地質学や地球化学における様々な研究に活用され、日本の地学研究の発展にも大きく貢献しました。また、後進の育成にも力を注ぎ、多くの優秀な研究者を輩出しました。

長島弘三博士の業績は、日本の科学史に燦然と輝くものです。彼の残した研究成果と、後進への影響は、現在もなお日本の科学界に大きな影響を与え続けています。 彼の名は、日本の分析化学、無機化学、地球化学、そして鉱物学の発展に貢献した重要な人物として、これからも記憶され続けることでしょう。

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