長崎惣之助

長崎惣之助 - 鉄道官僚としての足跡

長崎惣之助（ながさき そうのすけ）は、1896年6月25日に秋田県南秋田郡川尻村に生まれ、1962年11月7日に東京でこの世を去った日本の鉄道官僚である。彼は第3代日本国有鉄道（国鉄）総裁として1951年から1955年までの間、国鉄の経営と近代化に携わった。

幼少期と教育

長崎は村長の長崎惣太郎の長男として生まれ、幼い頃から優れた成績を収めた。長身であり、学業に加え、ボート部での活動も行いながら川尻小学校・牛島高等小学校を卒業し、秋田中学校に進学した。その後は第一高等学校を経て、東京帝国大学法学部独法科で学び、法律の知識を深めた。

キャリアの始まり

1920年、長崎は鉄道省に入省。1926年には在外研究員として欧米に派遣され、多くの知見を得る。また、1930年には新たに設立された国際観光局の庶務課長に就任し、次第にそのキャリアを積んでいった。経理局の会計課長としても経験を重ね、1937年には東京鉄道局長に就任。続いて運輸局長を務めた後、1941年には鉄道省最後の次官となる。

戦争と政治の変動

1943年、鉄道省と逓信省が統合され、運輸通信省の鉄道総局長官を経て、1945年には運輸通信次官に就任するものの、戦後には公職追放の処分を受けた。その間、1948年には衆議院不当財産取引調査特別委員会に証人として呼ばれるなど、政治的な関与があった。追放は1951年に解除され、同年8月には国鉄総裁として新たな一歩を踏み出すこととなった。

国鉄総裁としての業績

長崎が国鉄総裁に就任した際、一連の交通システムの近代化を進めるために尽力した。特に彼は、交流電化方式の導入を推進し、地方交通線にはレールバスや気動車の導入に力を入れた。これにより、国鉄業務の効率化とサービス向上が目指された。

しかし、彼の在任中には危険な事故も発生し、1954年の洞爺丸事故や1955年の紫雲丸事故は大きな波紋を呼んだ。これが原因で野党から責任を追及されることとなり、最終的には1956年に辞任せざるを得なくなった。

政界からの退場と企業活動

長崎は辞任後、1956年の参議院議員選挙に無所属で立候補するが、当選は果たせなかった。その後、1961年には懸垂式モノレール会社である日本エアウェイ開発の初代社長に就任し、再び企業のトップとして活動を開始したが、わずか1年後の1962年、肝硬変により死去した。享年66歳。

家族と影響

彼の親族には、甥の長崎忠夫がいて、山形駅長や秋田ステーションデパート代表取締役常務などの職を歴任している。また、長崎の大姪である長崎宏子は元水泳選手としても知られ、彼の遺伝子は次の世代にも引き継がれている。

このように長崎惣之助は、日本の鉄道制度に多大な影響を及ぼした人物であり、その業績は現在でも語り継がれている。

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