長崎県立壱岐高等学校

長崎県立壱岐高等学校について



長崎県立壱岐高等学校は、長崎県壱岐市郷ノ浦町に位置する県立高等学校です。地元では「壱岐高」という愛称で親しまれています。全日制課程には普通科と東アジア歴史・中国語コースがあり、生徒たちはそれぞれの進路目標に向かって学んでいます。

教育課程



普通科では、2年次から理系(理Ⅰ)、文系(文Ⅰ)、専門学校・就職(文Ⅱ)の3コースに分かれ、3年次にはさらに細分化されたコースを選択できます。理系は国公立大学理系(理Ⅰ)と私立大学理系・高等看護学校(理Ⅱ)、文系は国公立大学文系(文Ⅰ)、私立大学・短大・専門学校(文Ⅱ)、就職・公務員(文Ⅲ)に分かれ、生徒一人ひとりの進路希望に応じた学習が可能です。

東アジア歴史・中国語コースは、離島留学生制度も導入しており、歴史学専攻と中国語専攻の2つから選択できます。このコースでは、グローバルな視点を持つ人材育成を目指しています。

校訓・校章・校旗



壱岐高等学校の校訓は「自立・明朗・友愛」です。生徒たちが主体的に学び、明るく、互いを尊重し合うことを大切にしています。

校章は、の結晶をモチーフにした背景に「高」の文字が配置されています。この校章は、新制高校発足時に公募で選ばれたもので、旧制壱岐中学校の校章を基にデザインされました。

校旗は、紫紺色の生地にの結晶の校章が配されており、旧制壱岐中学校と壱岐高等女学校の伝統を受け継いでいます。

校歌



校歌は1952年に制定され、作詞は吉田邦治と山本文夫、作曲は山口常光が担当しました。歌詞には学校名は出てきませんが、「壱岐島根」という言葉で学校の所在地が表現されています。また、「マイン河畔」や「ヴィナスの使徒」など、比喩表現も用いられており、文化祭の名称である「煌」にちなんだ言葉も登場します。

歌詞に出てくる単語には、以下のような意味があります。
「千載」:長い年月
「天籟」:自然に発生する音
「駘蕩」:のんびりとした情景
「高天」:澄み渡った空
「雌伏」:実力を養いながら機会を待つこと
「喜応台」:壱岐高等学校が立つ場所
「金襴」:金糸で模様を織り出した織物
「情誼」:人との付き合いにおける人情や誠意
「玲瓏」:明るく透き通った状態
「叡智」:すぐれた知恵

旧制壱岐中学校の校歌「玄海万里」や、旧制壱岐高等女学校の校歌も存在し、それぞれに歴史と伝統が感じられます。

制服と交流



男子は学生服、女子はブレザーを着用します。ジャージ、上履き、体育館シューズ、グラウンドシューズの色は、入学年度によって異なります。

海外交流としては、中国の上海市にある光明中学と友好交流を結んでいます。

同窓会は「壱岐高等学校同窓会」と称し、東京にも支部があります。

沿革



壱岐高等学校の歴史は古く、その前身となる学校1870年の「壱岐郷学」まで遡ります。その後、さまざまな変遷を経て、1909年長崎県立中学猶興館壱岐分校として開校し、1912年長崎県立壱岐中学校として独立しました。旧制壱岐高等女学校も設立され、両校が1948年に統合し、現在の長崎県立壱岐高等学校となりました。

壱岐中学校と壱岐高等女学校はそれぞれ独自の校歌を持ち、多くの卒業生を送り出しました。壱岐中学校では、学徒動員や空襲などの戦時中の苦難も経験しました。

新制壱岐高等学校発足後、定時制課程や分校が設置されましたが、後に統合・独立し、現在の形に至ります。学校施設も拡充され、体育館、プール、セミナーハウスなどが建設されました。また、東アジア歴史・中国語コースの設置や離島留学制度の開始など、時代に合わせた教育改革も行われています。

壱岐高等学校は、「」と深い繋がりを持つ学校としても知られています。校章、校歌、文化祭の名称、学校誌のタイトルなどに「」という言葉が用いられています。これは、壱岐が古くから「州」と呼ばれてきたことや、海岸線の白い砂がのように見えることに由来すると言われています。

また、壱岐高等学校の所在地である「喜応寺ヶ丘」は、かつて喜応寺という寺があった場所に由来しています。喜応寺は、戦国時代の武将である日高甲斐守源喜を弔うために建立されたと伝えられています。

部活動と学校行事



壱岐高等学校では、運動部と文化部が活発に活動しています。学校行事も多彩で、体育祭、文化祭(煌祭)、駅伝大会、マラソン大会などが開催されています。

著名な出身者



壱岐高等学校からは、バレーボール選手の北島武氏、壱岐市長の篠原一生氏、競艇選手の下條雄太郎氏など、各界で活躍する多くの人材が輩出されています。

アクセス



壱岐交通のバス停「新道」、「郷ノ浦(本町)」が最寄りで、壱岐市役所、壱岐振興局、壱岐警察署などの官公署や、郵便局、金融機関、学校、保育施設、商店街などが周辺にあります。

まとめ



長崎県立壱岐高等学校は、100年以上の歴史と伝統を持ちながら、時代の変化に対応した教育活動を展開しています。地域に根ざした学校として、今後も多くの人材を育成していくことが期待されます。

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