長崎電気軌道1500形電車

長崎電気軌道1500形電車

長崎電気軌道1500形電車は、1993年に導入された路面電車で、1997年までに計7両が製造されました。この電車は主にラッシュアワーの運行車両として、従来の非冷房車両700形や1050形の代替が目的です。従来の型式と比べて、冷房装備の向上や快適性が大幅に改善されており、利用者にはより良い移動体験を提供しています。

概要

1500形電車は、アルナ工機によって製造され、既存の中古台車や電装部品と組み合わせた新しい技術を反映した車両です。前の形式である1300形と異なり、前照灯と尾灯は横並びに配置され、側面窓もサイズが大きくなることで車両の外観が一新されています。また、2000形以降の電車と同様の軽快な塗装デザインが施されていますが、窓縁や窓サッシはブラウンに仕上げられており、独自の雰囲気を醸し出しています。

客室内のデザインも刷新され、降車ボタンの数が増加し、エアコンの吹き出し口の形状も変更されるなど、利便性が向上しました。さらに、1996年に製造された1506号以降の車両には吊革も設けられ、乗客の快適性が更に重視されています。台車や電装品には、西鉄北九州線の600形からの廃車部品が再利用されており、特に主電動機は長崎電気軌道において初めて出力45kWのものが使われています。

1500A形への改造

長崎電気軌道では、1200形車両のリニューアルが進められてきました。その過程で、FS-51型台車を装着し、間接制御化する改造を行っていました。しかし、在庫の不足が発生し、1200形のすべてを改造することはできませんでした。そこで、2010年に1500形の1507号車が改造され、1500A形として新たに登場しました。この改造は、間接制御の導入や側面行先表示器の大型化、二重制動システムの追加、電動空気圧縮機の交換などが行われています。

現在の運用状況

2018年4月時点では1500形として6両、1500A形として1両が現役で運行されています。これらの車両は「カラー電車Bタイプ」として知られ、全面広告の掲載対象になっており、地域のPRにも貢献しています。長崎電気軌道の乗客にとって、1500形は快適で便利な移動手段となっており、長崎の都市交通に欠かせない存在です。

車両歴

長崎電気軌道1500形電車は、地域に根付いた交通手段としての役割を果たし続けています。

参考資料

• - 『鉄道ピクトリアル』1994年7月号臨時増刊
• - 梨森武志、「長崎電気軌道」
• - 『長崎のチンチン電車』
• - 『長崎電気軌道100年史』

公式ウェブサイトなどからも、詳細な情報や車両の仕様を確認することができます。

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