長嶺豊

長嶺豊は、1943年11月5日に佐賀県で生まれ、2022年7月7日に78歳で亡くなった元競艇選手です。 1963年にデビューして以来、そのガッツ溢れるレーススタイルから「浪速のドン」の異名を取り、多くのファンを魅了しました。弟も同じく競艇選手の長嶺保です。

長嶺は小学校5年生の時に大阪に移り住み、中学時代は野球に打ち込みましたが、身長が伸び悩んだことからプロの道を諦め、競艇選手を目指すことになりました。若い頃は荒れた生活を送っていた時期もあったそうですが、住之江競艇場でレースを見たことがきっかけで、競艇選手になることを決意しました。大阪府モーターボート競走会補助員を経て、選手養成所の入所試験に2度目で合格を果たし、競艇選手としてのキャリアをスタートさせました。

デビュー後、長嶺は持ち前の闘志あふれるプレーで数々のレースを制覇しました。特にGIレースでは10回以上も優勝を飾りましたが、SGレースではなかなか勝利を掴むことができませんでした。しかし、1993年の第40回全日本選手権競走（戸田）でついにSG初制覇を成し遂げます。当時50歳という年齢でのSG制覇は、多くのファンに感動を与え、共に涙を流したという逸話も残っています。

また、1999年の賞金王シリーズ戦（住之江）では、初日に転覆というアクシデントに見舞われながらも、その後怒涛の5連勝で優出を果たし、その実力を改めて証明しました。2000年4月に創設された競艇名人戦の開会式では、選手班長として「若いもんがナンボのもんじゃい！」と発言し、会場を沸かせました。2001年2月15日の若松一般戦で最後の優勝を飾り、2003年8月10日の多摩川一般戦で最後の優出を果たしました。2004年5月16日の徳山一般戦では、最後の勝利を挙げ、同日のレースを最後に現役を引退しました。

引退後は、JLCの解説者やサンケイスポーツの評論家として活躍し、ボートレースの発展に貢献しました。また、2007年にはボートレースの殿堂入りを果たし、その功績が讃えられました。2022年7月7日、腎臓病の悪化により、78歳でその生涯を閉じました。

長嶺豊は、その豪快なレーススタイルと人間味あふれるキャラクターで、多くのファンに愛された競艇選手でした。数々のタイトルを獲得し、ボートレース界に大きな足跡を残しました。主な獲得タイトルには、以下のものがあります。

1971年 - 児島開設19周年記念競走
1972年 - 福岡開設19周年記念競走
1981年 - 三国開設28周年記念競走
1983年 - 近畿地区選手権競走（三国）
1985年 - 近畿地区選手権競走（尼崎）、住之江開設28周年記念競走
1986年 - 児島開設34周年記念競走、平和島開設32周年記念競走
1987年 - 平和島開設33周年記念競走
1989年 - 福岡開設36周年記念競走
1990年 - 高松宮記念特別競走
1992年 - 高松宮記念特別競走
* 1993年 - 第40回全日本選手権競走（戸田）

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