長森原の戦い

長森原の戦い（ながもりはらのたたかい）

長森原の戦いは、永正7年（1510年）6月20日(旧暦)に越後国長森原（現在の新潟県南魚沼市）で繰り広げられた戦いです。

戦いの背景

上杉定実を擁する長尾為景軍が越後への復帰を果たした一方で、関東管領である上杉顕定は越後国人の支持を得られず、兵800を率いて越後からの撤退を開始しました。

戦闘の経過

長尾為景らは兵500で上杉顕定軍を追撃しました。迎え撃った顕定方は一旦は防衛に成功しましたが、その後、長尾方の援軍である高梨政盛が兵700を率いて顕定方の側面を急襲し、上杉顕定を討ち取るという劇的な勝利を収めました。

この戦いで顕定方は、長尾定明をはじめとする多くの将を失い、大敗を喫しました。勝利後、高梨勢は長森村にあった石動神社に戦勝を報告し、祝杯を挙げたと伝えられています。

地理的状況

長森原の戦いは、宇田沢川左岸の扇状地で行われました。具体的な戦場は、下原村、新堀村、上原村、そして宇田沢川本流を挟んだ地域に広がっていました。当時の三国街道を挟むように、宇田沢川側には高梨方、三国川側には顕定方の陣営が対峙し、長尾為景の陣営は魚野川側に位置していました。

現在、古戦場跡は田園地帯となり、寺浦百塚と呼ばれる塚が点在し、当時の面影をわずかに残しています。宇田沢川の近くには、特に大きな塚である管領塚が残されており、史跡公園として整備されています。

戦いの影響

長森原の戦いは、越後における勢力図を大きく塗り替えるものでした。長尾為景の勢力が確立され、上杉氏の影響力が低下する契機となりました。この戦いの後、越後国内の勢力争いはさらに激化し、戦国時代の幕開けへと繋がっていきます。

現在の長森原

長森原古戦場は、現在では静かな田園地帯となっていますが、点在する塚や史跡公園として整備された管領塚が、かつての激戦の地であったことを物語っています。歴史愛好家や地域住民によって保存活動が行われており、地域の歴史を伝える貴重な場所となっています。

脚注

越後の管領塚: 道灌紀行は限りなく
南魚沼市立管領塚史跡公園: Yahoo!ロコ

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