長田駅 (山陽電気鉄道)

長田駅の歴史と概要

長田駅（ながたえき）は、かつて兵庫県神戸市長田区に存在した山陽電気鉄道本線の駅であり、現在は廃駅となっています。ここでは長田駅の歴史的背景やその構造、関係する各路線の情報を詳しく探ります。

概要

長田駅は、山陽電気鉄道の前身である兵庫電気軌道が開通した際に設けられた駅の一つです。兵庫電気軌道は、兵庫と須磨を結ぶ路線として、当初は路面電車としての性格を持っていました。長田駅は、この兵庫周辺にある併用軌道が専用軌道に変わる地点に配置されており、利用者にとって重要な交通の拠点となっていました。

廃止時には、島式ホームが一面二線設けられており、上下線に挟まれるように木造の駅舎が存在していました。駅の出入口は併用軌道に面していたため、乗客は駅舎を通り抜けて乗車、下車することができました。

1922年8月3日には神戸市電尻池線が開業し、長田駅の直近で平面交差が行われるようになりました。このため、当駅の利用者は神戸市電との接続も享受することができたのです。

鉄道の改変とトラブル

戦後の1948年、山陽電気鉄道は電化方式を直流600Vから1500Vに切り替えました。その際、神戸市電は従来通りの600Vを維持していたため、両者の交差地点でデッドセクションが形成されることとなりました。この区間では、交差する電車は惰性で通過しなければならず、市電が立ち往生するケースもあり、乗客が後押しをするシーンが見られることもありました。

廃止の経緯

1968年4月7日、神戸高速鉄道東西線が開通し、電鉄兵庫から西代への区間が廃止されたことにより、長田駅はその役割を終えました。長田駅から100メートル東側には、高速長田駅が新たに設けられており、旧駅の利用者はその駅に移行する形となりました。

長田区内には、山陽電気鉄道、神戸電鉄、神戸高速鉄道、神戸市営地下鉄の四つの「長田駅」が存在しましたが、その中で山陽電気鉄道の長田駅が最初に登場したことも注目に値します。

歴史の沿革

1. 1910年3月15日 - 兵庫電気軌道の駅として開業。
2. 1922年8月3日 - 市電との交差部近くに移転。
3. 1927年1月1日 - 会社合併により宇治川電気の駅に。
4. 1933年6月6日 - 宇治川電気から山陽電気鉄道に譲渡。
5. 1944年12月31日 - 再移転し、島式ホームとなる。
6. 1968年4月7日 - 神戸高速鉄道の開通により廃止。

接続路線と隣接駅

長田駅は、神戸市電（長田電停）との接続があり、山陽電気鉄道の本線としては、隣駅に電鉄兵庫駅と西代駅がありました。1968年の廃駅時点では、電鉄兵庫駅との間に大開通駅も存在していました。このように、長田駅は交通網の一部として重要な存在であり、多くの歴史を紡いできた駅でした。

長田駅の痕跡は、今では記憶の中に留まっていますが、地域の発展の一部として、その自体に刻まれた歴史を忘れずにいたいものです。

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