長良天神神社

長良天神神社

岐阜県岐阜市に鎮座する長良天神神社（ながらてんじんじんじゃ）は、学問の神様として広く知られる菅原道真公を主祭神として祀る神社、いわゆる天満宮です。登記上の正式名称は「天神神社」となっています。

由緒と歴史

この神社の創建は古く、室町時代の寛正年間（1460年～1466年）にまで遡ります。当時の領主であった斎藤利藤によって、斎藤氏の氏神として建立されたと伝えられています。その後、永正年間（1504年～1520年）には斎藤利安と長井長弘によって修復が施され、さらに天正16年（1588年）には池田輝政によって改修が行われるなど、創建以来、時の権力者によって大切にされてきました。

江戸時代に入り、この長良の地が尾張藩の所領となると、長良天神神社は歴代の尾張藩主や、その支藩である高須藩の藩主からも格別の信仰を集めました。また、長良三郷（三つの村）の総鎮守として、地域に暮らす庶民からも篤く崇敬され、地域全体の信仰の中心として栄えました。

現在の社殿の建築も歴史を感じさせます。慶長年間（1596年～1614年）に一度、社殿が再建された後、幾度もの修復や改築が重ねられ、現在の本殿は享和元年（1801年）に、拝殿は嘉永5年（1852年）にそれぞれ建立されたものです。これらの建物は、長い歴史を見守り続けてきました。

近代においては、昭和34年（1959年）の伊勢湾台風により、境内の多くの大木が倒壊し、社殿も少なからず損傷を受けるという大きな被害に見舞われましたが、その後復旧が進められ、昭和61年（1986年）には修復事業が完了し、往時の姿を取り戻しました。

また、この神社は岐阜県神社庁からもその重要性を認められています。昭和49年（1974年）11月には、岐阜県神社庁より県神社庁長参向指定神社、いわゆる「金幣社」の指定を受けました。これは、特定の祭礼において県神社庁長が参向することもあるという、格式の高い神社に与えられる指定です。

主な神事

長良天神神社では、年間を通じて様々な祭典が行われています。主な神事としては以下のものがあります。

1月25日：初天神祭 - 新年最初の天神様のお祭りです。
3月4日、9月2日：筆塚祭 - 学問・書道の上達を願う祭礼と考えられます。
4月5日：例祭 - 神社にとって最も重要な年間のお祭りです。
8月：みそぎ祭り - 形代に穢れを移して祓い清め、茅の輪をくぐる神事が行われます。
11月23日：新嘗祭 - その年に収穫された新穀を神様にお供えし、感謝するお祭りです。

所在地と交通アクセス

長良天神神社は、岐阜県岐阜市長良天神に位置しています。公共交通機関を利用する場合、岐阜バスでのアクセスが便利です。

岐阜バス：「長良天神」バス停が神社の最寄りです。岐阜高富線、茜部三田洞線、岐阜女子大線、城田寺柳津線、高美線、板取線、おぶさ墨俣線など、様々な路線がこのバス停を経由します。
JR岐阜駅、名鉄岐阜駅からのアクセス：
JR岐阜駅バスターミナル（岐阜駅北）11番のりばからは、「高富」「山県市役所」「三田洞団地」「三田洞自動車学校」「洞戸栗原」「板取キャンプ場」「板取門原」「谷合」「塩後」「岐阜女子大学」「美濃市駅」「中濃庁舎」などの行きのバスにご乗車ください。
JR岐阜駅バスターミナル（岐阜駅北）12番のりばからは、「三田洞団地」「城田寺団地」行きのバスにご乗車ください。
名鉄岐阜のりば（名鉄岐阜駅西）4番のりばからは、「高富」「山県市役所」「谷合」「塩後」「三田洞団地」「三田洞自動車学校」「城田寺団地」「岐阜女子大学」「美濃市駅」「中濃庁舎」などの行きのバスにご乗車ください。

いずれの場合も、「長良天神」バス停で下車してください。

長きにわたり地域の信仰を集めてきた長良天神神社は、静かな環境の中に歴史ある社殿が佇み、訪れる人々に安らぎを与えています。学業成就を願う参拝者も多く、今もなお地域にとって大切な存在です。

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