長谷川好三

長谷川好三

長谷川好三（はせがわ こうぞう）は、1916年（大正5年）12月1日に生まれ、1970年（昭和45年）1月1日に53歳で急逝した、日本の政治家であり実業家です。茨城県議会議員を二期務め、その後笠間市の市長も歴任しました。また、実業家としても、大泉砕石株式会社の初代代表取締役を務めたほか、茨城放送や茨城新聞の取締役、茨城県砕石協会の会長や共同販売の理事長など、茨城県内の経済界でも重要な役割を果たしました。

来歴

長谷川好三は、茨城県笠間市福原の出身です。茨城県立水戸中学校を卒業した後、言論の世界に身を投じ、中央紙である時事新報や、地元茨城の地域紙であるいはらき新聞で筆を執り、記者として活動しました。新聞記者として経験を積んだ後、日立市議会の事務局長を務め、行政運営の実務についても理解を深めました。

茨城県議会議員として

1948年、長谷川好三は政界への転身を決意し、茨城県議会議員選挙に立候補して初当選を果たしました。県議会議員としては二期にわたりその職を務め、この間、県議会の財政委員長や運営審査委員長といった要職を歴任し、県政の運営に深く関わりました。

笠間市長時代と地域振興

県議会議員を退いた後、1963年には故郷である笠間市の市長選挙に挑戦し、見事に当選を果たしました。市長としての在任期間は短かったものの、この間に地域活性化に向けた重要な取り組みを推進しました。特に力を入れたのが、笠間市の誇る伝統工芸品である笠間焼を中心とした地域振興です。日動画廊の創業者として知られる長谷川仁氏、洋画家である朝井閑右衛門氏、そして小説家の田村泰次郎氏といった著名な文化人たちと連携し、笠間焼の芸術的・文化的価値を高め、その魅力を広く発信する活動を展開しました。これらの活動の集大成として、1964年には文化芸術の新たな拠点となる「笠間市芸術村」を開設し、地域に根差した文化振興に多大な貢献をしました。また、公務の傍ら、個人的な情熱として桜やバラの研究にも深く傾倒していました。

失職と晩年

笠間市長に当選した直後、長谷川好三は公職選挙法違反の容疑で逮捕されるという事態に直面しました。裁判で自身の潔白を主張し争いましたが、最終的に有罪判決が確定し、1965年に市長の職を失職せざるを得なくなりました。市長失職後も、政治への意欲は衰えず、水戸市長選挙や第32回衆議院議員総選挙に立候補して再起を図りましたが、いずれも当選には至りませんでした。そして、1970年1月1日、ガス事故により突然この世を去りました。享年53歳という若さでした。

実業家としての活動

政治活動と並行して、長谷川好三は実業界でも手腕を発揮しました。砕石業を営む大泉砕石株式会社を設立し、その初代代表取締役に就任。茨城県のインフラ整備に不可欠な砕石資源の供給に貢献しました。また、茨城県砕石協会の会長や茨城県砕石共同販売の理事長を務めるなど、同業界の発展にも尽力しました。さらに、メディア関連企業である茨城放送や茨城新聞の取締役も務めるなど、多岐にわたる分野でその影響力を持ちました。

親族

長谷川好三の長男である長谷川大紋氏も、父の後を追うように政界に進出し、茨城県議会議員、茨城県議会議長を経て、後に参議院議員を務めました。

参考文献

茨城県議会史編さん委員会編『茨城県議会史 資料編』茨城県議会事務局、1979年。
『全国歴代知事・市長総覧』日外アソシエーツ、2022年。

（※本記事は公開情報を基に作成されており、個人的な評価や未確認の情報は含まれていません。）

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