長野城 (伊勢国)

長野城について

長野城（ながのじょう）は、三重県津市美里町桂畑の標高520メートルの山頂に位置する中世の日本の城で、古くからの山城の一つです。この城は周囲の丘陵に築かれた東の城、中の城、西の城とともに、堀切や土塁を駆使した防御機能を備えた堅固な構造を持っていました。

構造と特徴

長野城は、その特異な立地によって周辺を見渡せる絶好の要衝地に建設されました。主郭は台状の地形にあり、三方には土塁が巡らされています。土塁によって囲まれた郭が点在し、その周囲には階段状の腰曲輪も見られます。このような構造が、敵の侵入を防ぎつつ、戦略的な防衛に寄与していたと考えられています。特に、伊賀道に面していたことから、交通の要所としての役割も果たしていました。

歴史

長野城は、文永11年（1274年）に工藤祐藤によって築かれ、長野工藤氏の重要な拠点となりました。その後の歴史は波乱に満ちています。まず、貞和2年（1346年）には北畠氏に攻撃され落城しましたが、文和元年（1352年）には再び工藤氏が取り戻しました。さらに延文5年（1360年）には、室町幕府に反抗した仁木義長がこの城に逃げ込み、追討軍に対して2年以上も籠城を続けるという事態が発生しました。この籠城は長野城の歴史における重要な事件の一つです。

その後、永禄12年（1569年）には織田信長の侵攻を受け、信長は弟の織田信包を工藤氏の養子として受け入れ、和平を結びました。この和平の後、信包は元亀元年（1570年）に上野城を本拠にし、長野城は廃城となってしまいました。

現在の長野城

長野城は1982年1月16日に、「東の城」「中の城」「西の城」と共に「長野氏城跡」として国の史跡に指定されています。これにより、長野城はその歴史的価値が認められ、多くの人々に親しまれています。今日ではこの地域が持つ歴史的遺産として、訪れる人々に過去の面影を伝える場となっています。

参考文献

本情報に関しては、角川日本地名大辞典編纂委員会による『角川日本地名大辞典（24.三重県）』をご参照ください。

関連項目

• - 日本の城一覧

外部リンク

• - 津市による長野城の解説

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