門脇町 (石巻市)

門脇町（かどのわきちょう）

地理

宮城県石巻市の南東部に位置する町丁で、日和山丘陵の東側および南側の麓にあたる地域です。町域の東端には旧北上川が南へ流れ、石巻湾へと注ぎます。かつては県道7号石巻港線沿いを中心に市街地が形成され、多くの住宅や商店が密集していましたが、2011年の東日本大震災による津波で壊滅的な被害を受け、その景観は一変しました。現在は、震災からの復興のシンボルである広大な「石巻南浜津波復興祈念公園」の一部として整備が進められています。

歴史

現在の門脇町の区域は、昭和41年（1966年）5月1日に誕生しました。それまでの門脇という地域にあった「門脇町」「九軒町」「浜横町」「山岸」「中道上」「西山岸」の各字の全域と、「海門寺前」「海門寺」「後町」「中道下」「善海田」、そして石巻の字「本町」の一部が再編統合されて、「門脇町一丁目」から「門脇町五丁目」が設けられました。

東日本大震災による被害と現在の復興

石巻湾に面した地理的条件から、門脇町は2011年3月11日の東北地方太平洋沖地震に伴う巨大な津波により甚大な被害を受けました。地域によっては7メートルに達する浸水深が記録され、家屋や建物は流失・倒壊しました。地震による揺れも石巻市内で震度6弱を観測しています。この震災により、門脇町内では99名もの尊い命が失われました。

かつての市街地のほとんどは災害危険区域に指定され、宅地としての利用が制限されています。被害を受けた建物は撤去され、広大な敷地は震災からの復興と追悼、そして防災意識の向上を目的とした「石巻南浜津波復興祈念公園」の中核エリアとして生まれ変わりました。公園内には、津波の記憶を伝える震災遺構である旧門脇小学校や、震災犠牲者への追悼の場、人々の交流を促進する施設などが整備されています。

主な施設

町内には、震災からの復興を示す「石巻南浜津波復興祈念公園」があります。また、石巻湾に浮かぶ網地島などへ向かう定期船の発着点である「網地島ライン門脇乗り場」も利用されています。その他、古くからの寺院である「西光寺」や「称法寺」、震災の記憶を留める「旧門脇小学校」、そして新たな地域活性化の拠点となる「MEET門脇」などが所在しています。

交通

町域内に鉄道駅はありませんが、最寄りの鉄道駅としては、JR石巻駅（石巻線・仙石線・仙石東北ライン）が比較的近い場所にあります。主要な道路としては、石巻市街地と石巻港を結ぶ宮城県道7号石巻港線と、内陸部へ向かう宮城県道240号石巻女川線が通っています。

人口

2022年（令和4年）2月末日時点の住民基本台帳に基づくと、門脇町の人口は538人、世帯数は282世帯となっています。これは、かつての居住人口と比較すると大幅に減少しており、震災後の町の状況を反映しています。

その他

門脇町の区域は、石巻市立の小中学校の通学区域に定められています。詳細な学区割については、石巻市の教育委員会が定めています。

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