門野幾之進

門野幾之進は、1856年（安政3年）に志摩鳥羽藩士の家に生まれ、日本の実業家として名を馳せました。彼は千代田生命保険と日本徴兵保険の初代社長を務めただけでなく、貴族院勅選議員としても活躍しました。その生涯は、日本の近代化に大きく貢献したと言えるでしょう。

生い立ちと教育

門野幾之進は、志摩鳥羽藩士・門野豊右衛門の長男として誕生しました。実弟には大倉組副頭取を務めた門野重九郎がいます。1869年（明治2年）には、鳥羽藩の貢進生として上京し、慶應義塾に入学しました。そこで、中上川彦次郎や後藤牧太といった、後に日本の発展に寄与する人物たちと出会い、共に学びました。1871年（明治4年）には、早くも慶應義塾の教員として教鞭を執り始め、その才能を発揮しました。

教育者から実業家へ

1876年（明治9年）から1879年（明治12年）にかけて、門野は共慣義塾や三菱商業学校、土佐の立志学舎でも教鞭を執り、多くの学生を指導しました。教育者としての経験は、彼の後の実業家としての活動にも大きな影響を与えたと考えられます。その後、1893年（明治26年）には自由党の候補者として政治の世界にも足を踏み入れました。そして1904年（明治37年）、阿部泰蔵らと共に千代田生命保険を創立し、初代社長に就任。卓越した経営手腕を発揮し、会社を大きく発展させました。

多岐にわたる活躍

門野は、慶應義塾において理事委員、教頭、評議員、副社頭など、要職を歴任しました。さらに、千代田生命保険社長、豊国銀行監査役、時事新報会長、交詢社会長など、数々の役職を兼任し、幅広い分野でその手腕を発揮しました。また、日本無線電信設立委員、国際観光委員会、臨時ローマ字調査会委員など、様々な委員会のメンバーとしても活躍し、日本の近代化に貢献しました。1911年には、日本徴兵保険を創設し、社長を兼任しました。

晩年と死

1932年（昭和7年）3月15日には、貴族院議員に勅選され、政治の世界でもその存在感を示しました。門野幾之進は、1938年（昭和13年）11月18日にその生涯を閉じ、青山霊園に埋葬されました。彼の墓所は、現在も多くの人々が訪れています。

門野幾之進の功績

門野幾之進は、教育者、実業家、政治家として多岐にわたる分野で活躍し、日本の近代化に大きく貢献しました。彼の功績は、今日の日本の礎を築いたと言えるでしょう。

参考文献

三田商業研究会編『慶應義塾出身名流列伝』実業之世界社、1909年
衆議院・参議院編『議会制度百年史 - 貴族院・参議院議員名鑑』1990年
慶應義塾『慶應義塾百年史』付録、1969年

外部リンク

門野幾之進 (男性)『人事興信録』データベース
門野重九郞 (男性)『人事興信録』データベース
門野幾之進｜近代日本人の肖像
門野幾之進記念館と生誕碑 三重県観光連盟公式サイト 観光三重
“ボーイ教師”と呼ばれた俊才、門野幾之進
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