開国橋 (山梨県)

開国橋の概要と歴史

概要

開国橋（かいこくばし）は、山梨県甲斐市の西八幡と南アルプス市の上今諏訪を繋ぐ、釜無川（富士川）に架かる橋です。全長492メートル、幅23.3メートルのこの単純合成桁橋は、片側2車線の車道が備えられており、さらに全長3.5メートルの自転車・歩行者道も両端に設置されています。橋台は逆T式で、工事の進行は上下線で異なるため、別々に設置されています。

この橋は、県都である甲府市と、鉄道の便が少ないベッドタウンである南アルプス市を繋いでおり、また甲府市から中部横断自動車道白根ICへの重要なバイパス道路としても機能しています。東京方面から国道52号を利用して県西南部に向かう際には、中央自動車道双葉JCTを経由するよりも距離が短いため、多くの人が甲府昭和ICで降りて白根ICを目指します。このように、開国橋は地域の交通網において重要な役割を果たしています。

橋の両端には交差点が設けられ、東側には「開国橋東詰交差点」、西側には「開国橋西交差点」と名付けられています。これにより、交通量が多く、特に混雑の時間帯には渋滞が発生することもあります。開国橋東詰交差点には、2005年に開通したアルプス通りと山梨県道5号甲府南アルプス線の旧道が交差しており、地図上では五叉路になっています。一方で、西交差点にも重要な道路が分岐しており、こちらも交通量が予想以上に多くなっています。

歴史

このルートは江戸時代に整備され、「戸田街道」と呼ばれ、甲府城下町から小笠原地域を通り信州や駿河に続く重要な街道となりました。しかし、富士川の急流と頻繁な氾濫のため、架橋の実現は容易ではなく、明治時代初頭までは高額な渡船料を支払って渡し船を利用しなければなりませんでした。1899年、甲州財閥の若尾逸平の寄付によって、最初の木橋が「堺国橋」として架けられ、通行するには1銭の橋銭が必要でした。

その後、1909年に木橋の架け替えが行われ、「堺国橋」から「開国橋」と改名されました。1918年にはさらに改修され、1924年にはコンクリートを使用した修繕が実施されました。この時、不要となった木材は下流の鏡中条村橋の建設に転用されました。1930年には鉄道橋が開国橋の下流側に設置されましたが、開国橋については昭和8年に鉄筋コンクリート構造の永久橋が完成しました。

1962年には、山梨交通電車線が廃止され、鉄道橋が歩道橋に転用され、1968年には正式に歩道橋として構造が完成しました。しかし、1980年代に入ると交通量の急増により、老朽化が進行しました。そのため、1981年よりさらなる架け替え工事が始まり、台風の影響で工事が困難となる状況もありましたが、1986年に新橋の一部供用が開始されました。最終的に1991年に新橋が完成し、現在の開国橋が利用されています。

周辺の特徴

開国橋の東側には、山梨県警察学校や山梨県立農林高等学校が位置しており、かつては競馬場が存在した地域でもあります。また、周辺には釜無工業団地や甲府リバーサイドタウンが整備されており、住宅や商業施設が立ち並んでいます。さらに、橋の北側には釜無川スポーツ公園が広がり、多くの市民が憩いの場として利用しています。このように、交通だけでなく地域の共同体としても重要な役割を果たしているのが開国橋です。

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