開発国民革命運動

開発国民革命運動 (MRND)

開発国民革命運動（フランス語: Mouvement révolutionnaire national pour le développement, MRND）は、かつてルワンダに存在したフツ系の政党です。1975年にジュベナール・ハビャリマナ大統領によって創設され、1975年から1994年まで、ルワンダにおける唯一の与党として君臨しました。1978年憲法によって一党独裁体制が確立されたことが、その地位を裏付けています。

しかし、1990年にルワンダ愛国戦線（RPF）の侵攻が始まると、MRNDはその本性を現し始めます。政府を批判するツチ系の新聞「カングカ」を模倣した「カングラ」を創刊し、ツチに対する悪質な誹謗中傷を繰り返しました。これは、後のルワンダ虐殺へと繋がる深刻な民族対立を煽る行為でした。

1991年6月、憲法改正により複数政党制が導入され、MRNDは同年7月以降、「民主主義・開発国民共和運動（フランス語: Mouvement républicain national pour la démocratie et le développement, MRNDD）」と改称しました。しかし、その体質は大きく変わることはありませんでした。

1994年4月6日、ハビャリマナ大統領が搭乗する航空機が撃墜され、暗殺されるという事件が発生します。この事件をきっかけに、MRNDの中央部は、配下の民兵組織であるインテラハムウェに、ツチと穏健派フツの殺害を指示しました。これが、およそ100日間に及ぶルワンダ虐殺の引き金となりました。

ルワンダ愛国戦線（RPF）によって制圧されると、MRNDは権力を失い、政党自体が非合法化されました。その罪は、あまりにも重いものでした。

なお、ルワンダ虐殺においてより大きな役割を果たした共和国防衛同盟（CDR）は、ハビャリマナ大統領の穏健な路線に反発したMRND内のフツ過激派によって結成された政党です。これは、MRND内部にも対立が存在したことを示唆しています。

イデオロギー

ハビャリマナは比較的穏健派と言われていますが、その政権はプロパガンダを駆使し、ツチ族を民族的に差別していたとされています。前任者ほど極端ではなかったものの、その影響は無視できません。また、MRNDおよびハビャリマナ自身は、反共産主義者でした。

関連項目

パルメフツ
エドゥアール・カレメラ

もう一度検索